2ntブログ
 
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨
Like a cotton candy 3
2013-10-27 Sun 00:09
今宵も

はね吉 がらすの森 ~今日は綿菓師やってきた!~


…にお越しくださいまして、ありがとうございます!



文化祭真っ只中、な季節でございますね。
街の公民館の文化祭、子ども会の出し物で綿菓子屋さんやってきました。
ちょっと自慢できるくらいの出来栄えです。
今では娘(中1)も立派な綿菓子職人です…。











それでは続きから、ドゾ!















      Like a cotton candy 3



『自分は午後には身体があくから、君の都合の良い時間に迎えに行きます』


という真澄からのメールで、マヤの寝ぼけた頭は動き始めた。
いや、違う。
実は昨夜、いろいろ考えすぎて寝不足で
ついでに「考えちゃいけない、意識しちゃいけない」と思うあまりに
ずいぶん挙動不審になっている。
洗顔クリームを歯ブラシに絞り出して危うく口に突っ込みかけた。
幸い狼少女の嗅覚がそれを許さなかった。

何時くらい…?
午後イチから、なんて楽しみで楽しみで仕方がない、みたいでなんか違うって思う。
お昼ご飯はウチで食べてからいくべし。

3時くらい?
速水さんのことだから、「まずはお茶でも?」って言いそう。
えっ、縁日行くのに?って回避できるか。
ん?何から回避するんだ?

ってか、何着ていこう…!
あんまりオシャレするのも、デート楽しみにしてました!みたいだし。
どうせ縁日だし。
ってなんでこんなこと意識してんのよあたし!
ってかデートじゃないんだから!別に好きとかじゃないし!


…という1000回目の堂々巡りをして、結局『3時くらい?』と返信をしてグッタリしてしまった。
直ぐに返信が来る。


『了解。では3時に君のアパートまで迎えに行きます。』

また、それを読んでひとしきりドキドキして、またグッタリした。






2時55分、メールの着信音が鳴った。
『到着しました。お待ちどうさま。』

…べっ、別に待ってなんかないし!

嬉しいのか面倒くさいのか、楽しみなのかちょっと怖いのかわからない、不思議な気分。
落ち着け、落ち着け、あたし!
そう思いながら玄関を出ると、いつもと変わらない真澄が車のドアを背にして煙草を吸っていた。

「やぁ、直ぐに出てきたな。感心感心」
「別に待ちかねてたわけじゃないですから。
 こんな場所ふさぎな車がここにあったら近所迷惑なんで!」

真澄はプッ、と吹き出して、マヤの頭をガシガシ撫でた。

「君はいつまで会うたびに憎まれ口を叩くんだろうね」
そうしてマヤの座る席のドアを開けながら
「もっともそれが無くなったらおれも物足りないと思うんだろうが…」
と笑う。
「でしょ?遠慮して言いたいこと言えないなんて、『友達』じゃないですもん」

マヤはあえて、『』にアクセントをつけて言う。
お互いの心に釘を刺すような気持ちで。
マヤが車のシートに身を沈めるとまた頭をガシガシして
「ガードは相変わらず硬いな…さすが狼少女だ」とドアを閉める。

か…簡単になついたりしないのよっ、都会の狼少女でも!


他愛のない話をしながら目的の神社の近くの駐車場に着き、歩いて向かう。
そうしながら、マヤは
意識し過ぎていたのは自分だけで
真澄はいつもの真澄のままだったことに少し安心していた。
午前中は仕事のために会社にいたこと、
さんざん水城秘書に怪しまれ冷やかされイヤミを言われたことを楽しげに話している。
道理で、いつもと変わらぬスーツにコートの出で立ちだった。
もし私服で現れたりしたら、まさにデートだ!って平常心でいられなかったかもしれない…
でも、速水さんの私服姿ってどんなかな?ちょっと見たかったかな?と思って
いやいやいやいやいやいや、そんなんじゃないから!と必死で否定した。

「君は相変わらず、へんな百面相をするな。何か悩み事でも有るのか?」
急に自分の目の高さに合わせて覗き込まれてのけ反った。
「何か今日はヘンだぞチビちゃん。そら、もう君の好きなものオンパレードだ」

古びた赤や黄色の天幕のなかで眩しすぎるほどに照らされた露天商品と
神社の奥のほうから聞こえてくる祭囃子のテンツクテンツクという響きと
興奮と熱気と期待とがぐちゃまぜになった中でマヤは少し眩暈がした。

「ぅわぁ…なんかスゴイですねぇ」
「そうだな。ここの夜店はちょっとレトロな出し物が多いみたいだな」

金魚すくいやスーパーボールすくいに混じってスマートボールや射的がある。
ベビーカステラ、チョコバナナ、ケバブの隣にカルメ焼きがある。
「カ、カルメ焼き!!不思議!なんであんな膨らむの?!あれ、何入れてるんですか?!」
「チビちゃん、おれにその説明をさせるつもりなら科学の授業みたいになるがいいか?」
「…遠慮します。観察だけでOKです」

「ちょっと久し振りにやってみるかな。すまないが上着を持っていてくれ」
真澄がコートとスーツの上着を脱いで、シャツの腕まくりをした。
射的の銃を片手で持ち、台から身を乗り出して景品を狙う。

「お兄さん、社長、彼女にイイとこ見せたいからってそんなに乗り出しちゃ商売あがったりだ」
「ごめんよ、こんなに大きく育っちまったもんで。
 なかなかこのお嬢さんが首を縦に振ってくれないんでね、
 ちょっと喜びそうなものプレゼントしたいんだ」

長身で誰もが振り向くような容姿の男が、肩越しに銃で獲物を狙っている姿は
まるで外国映画のスパイや騎士のようで行く人は足を止める。

パスン、と音がして小さなマスコットが台から落ちる。
きゃぁ、とマヤだけでない黄色い声が沸く。
8発中4命中して、射的の周りは人だかりが出来た。

「さっ、このカッコイイ兄さんに挑戦する誰か、いないかね~?!」
店主が声を張り上げる。ちょっとヤンキー交じりの若者が我先にと名乗りをあげる。
目をハートにした少女達に笑顔を振りまき、戦利品をマヤに手渡す真澄はどさくさにまぎれて肩に手をまわした。
「さ、行こう」

呆気にとられていたマヤは暫くしてから「いつまで肩に手まわしてるんすか!」と睨んだ。
「こうでもしなきゃ、おれはあの女の子たちに逆ナンされそうだったんでね」
「うわぁぁぁぁぁナルシストですか!キモイ!」
「おれにキモイなんて言うのきみくらいだチビちゃん!
 きみは信じられないかもしれないが
 おれの周りには多少なりともそんな下心と野望で近づいてくる女性がごまんといるんだ。
 上手にお引取りいただくための技術と考えて欲しいくらいだ」

たしかに、映画から飛び出して来たかのようで、いちいちポーズが決まっているな、と思った。
カッコイイと思われるのも仕方がない、とも思う。
そして、そんな女の子たちの羨望を
うまくはぐらかしながら泳いでいくのが真澄の仕事なのもよくわかる。




…ただ、疑問なのは、

その、そんな真澄が、自分を好きだと言ってくれる事、
自分と恋人のように振る舞いたいと思っている事…が

自分のどこに、真澄にそこまで想わせる何かがあるのか、と
それが不思議でたまらないのだった。







                  つづく♪






ねちねちと続きます、ふふ。




え~と、ちょいとコソコソと予告、です!!


来る 2013年 11月 2日 22:30より25:00終了予定にて

「速水真澄シャチョー誕生祭カウントダウン絵チャット」

をコソコソ開催しようかな、と企んでおります。

最近ちょっと停滞気味なガラパロ界ですが、伊豆に無事行けるようにシャチョーを励ますことができたら、と。
何分にも久し振り~~~チャットで、尚且つイイカゲンはね吉の主催なのでどうなりますことやら、なのですが

よろしかったらコソコソとお運びくださいませ。


また直前になりましたらご案内記事を揚げますね。





それでは今宵はこのへんで。



明日もいい日でありますように!









 
関連記事
別窓 | Like a cotton candy | コメント:0 | ∧top | under∨
<<拍手メッセージありがとうございます^^ | はね吉 がらすの森 R-18 | Like a cotton candy 2>>
この記事のコメント
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

| はね吉 がらすの森 R-18 |