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Like a cotton candy 1
2013-10-08 Tue 01:45
  今宵も

  はね吉 がらすの森 ~


  …に、お越しくださいまして、ありがとうございます^^


  

 予告よりも早めに書きあがってしまったので、とりあえず1話UPします。
新連載・・・・ああ、なんか懐かしい響き。





それでは続きからドゾ!



(設定は、拙作「雨やどり」「舞台が跳ねたら」のシリーズです。「狼にはなれない」よりは前のエピ。
 ご存知で無い場合は、「雨やどり」から先にお読みください。別窓にて読めます)









   Like a cotton candy


                 1






過ごしやすい季節になった。
東京のビルの谷間にいるとあまり目にしない光景だが、
郊外に出ると祭や縁日が行われているらしい。
「アンナ・カレーニナ」で誘い出したときに行った縁日。
白熱灯の灯りに照されて歩く横顔を、意識して見つめられなかったあの日。
今なら…素直にお互いに楽しめるんじゃないか…?

そう閃いた真澄は、仕事虫の力を発揮して近隣の神社の祭や縁日の日程を調べ、
マヤの上演スケジュールと休みの日、自分のスケジュールを擦り合わせ、
少し足を伸ばすことにはなるが、下町の小さな神社での縁日で
秋の休日を過ごせるように調整した。


「真澄様…また何か企んでおいでですの?」

水城秘書がチクリと牽制の矢を放ってくる。
最近の真澄が妙に空気が抜けていたり
そうかと思うとバリバリと音がするほど仕事をこなして
さっさと定時に自分を追い帰す(それはそれでありがたい)ことが交互にやってきて
そろそろ秘書としてボスの心理的変化が気になって仕方がなくなってくる頃だった。

「別に。何も企んだりなんてしていないよ」

素直だ。へんに素直すぎると、かえって怪しい。
冷血仕事虫と揶揄されて久しい真澄だが
その素直な返事の奥底に、温かな血が通っている…と水城は気付いている。

いつから…?

紫織様とお見合いをされて、デートをするために時間を捻り出していた頃とは
また違っている。
いや、とうとう観念して紫織様に…?

そのサイクルは5日に一度…いや、時々3日に一度は巡ってくる。
その日はバリバリと仕事をこなしながらも機嫌がよく、
時々鼻歌交じりだったりもする。
初めて聞いたボスの鼻歌は、
普段の話し声からは想像もつかないような澄んだ高い声、だった。
ギョッとして二度見してしまったくらいだった。
バチッと目が合って、ボスが一瞬赤くなったのを
見てはいけないものを見てしまった?とこっちが気付かないフリをしてしまった。

そして、そのときの鼻歌が…
そのときは思い出せなかったのだが…

最近、テレビでよく聞く回転寿司チェーンのCMソングだったことに気がついた。


それからというもの、水城女史の頭の中でもヘビーローテーションして困っている…
定時に帰れるのだから、そして仕事になんの支障も無いのだから別に文句はないのだが…

いろいろと詮索したい!追求したい!とウズウズが止まらない水城秘書であった。





真澄は、水城が好奇の目で自分を見ているのを面映く感じていた。
多分自分は、今までの「速水真澄」とは違ってきている。
マヤの前でだけ素直に自分の好意を伝えてきたが、
なかなかハイそうですか、と受け入れてくれないマヤとのやりとりに一喜一憂しながら
それが速水家、速水グループのために捨てて来た自分自身をもう一度取り戻す作業のように思える。
正直、浮かれているようで照れ臭いのだが、そして今までの威厳を保つべく抑えてはいるのだが

やはり嬉しい、楽しい、大好き!!な漏れ出す感情は…止められないのだろう…
自分の中にいる、もうひとりの速水真澄が言う。

いいのか?そんなにダダ漏れなおれは、
せっかく築きあげてきた速水真澄像は、
あんなにオヤジに「無防備になる恋など仕事の敵だ」と禁じられてきた想いに崩されようとしている。
いいのか?速水真澄。


「いいんだ…速水真澄なんて、クソ喰らえ、だ…」


ひとりごちて携帯をとる。


紫のバラのひととして、すでにマヤに贈った携帯電話。
先日の餌付けデートで、嬉しそうに見せてきた真新しいピンクの携帯電話。
ムリヤリ取り上げて、自分のメールアドレスを登録した…

「ンもう!!ゆっくり自分で取り説読んでしようと思ってたのに!」って真っ赤になっていた。
ついでに、自分で「速水さん、大好き☆」と打ち込んで、自分の携帯に送信したら真剣に怒られた。

「きみがキチンと使えるようになるのを待っていたら、いつまでもメールなんて来ないからな」
「だからって、なんで『大好き』なんて打つんですか!!空メールだっていいのに!
 ってか、あたしの初めてメールがなんでこれなんですか!!」
「ゴメン。消去していいよ」

マヤは『消去』の言葉に怒気を削がれたのか、
「・・・・別に、いいです!消さないけど…恥ずかしいから違うところに隠してもらっていいですか」

ピンクの携帯の、送信フォルダにただ一件ある自分宛のメールを、別フォルダに移す。
「これでいいか」
「・・・いいです」

そして、自分の携帯からマヤの携帯にメールを送った。

『仲良くつきあってくれて感謝している。
 いつも言葉にしているが、信じて欲しい本当の気持ちだ。
 マヤが好きだよ。
 出来れば、このメールも消去しないで欲しい…」

読んだマヤはトマトのように赤くなって、

「これも…別フォルダに移してください」 

と、言った・・・




マヤ宛に、メールを送る。

「〇日は確か公演は休みだと思うんだが
 ちょうど神社の縁日があるらしい。行ってみないか?」





1時間ほどして、返信がくる。


「うれしいです! えんにちなんてひさしぶり!
 はやみさんともいきましたよね! たのしみです!

 >〇日は確か公演は休みだと思うんだが
 >ちょうど神社の縁日があるらしい。行ってみないか?」

…変換しない、受信文を消さない…それでもどうにか少しづつ慣れてきたんだろうか…

イカン、またニヤニヤしている。水城くんがコッチを見ている。

ひとつ咳払いをして、水城くんに声をかけた。


「すまないが、美味しいコーヒーを淹れてくれないか?水城くん。
 よければ、きみのぶんもいっしょに」








            つづく!





 うは~~~~、やっぱり書き出すと楽しくてイッキに書いてしまった!!

 やっぱり、いいっすね、ガラパロ!!





それでは今宵はこのへんで。


 明日もいい日でありますように~~~~~^^





























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この記事のコメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013-10-11 Fri 08:37 | | #[ 内容変更]
Re: おかえりなさい
いつもコメントありがとうございます^^
えへへ~おまたせしました~やっと帰って来ました^^;

かっけぇマスミン、ありがとうございます^^
かっけえ速水さんは…実は我が家では珍しいほう、なんですよ~~
どっちかっていうとヘタレとマヤたんに関してのおっちょこちょいを自認しているような男、で
セルフ突っ込みばかりしています^^

水城さんの出る幕が…あるのかないのか?
それはまだワタシにもわかんないです!
勝手に出てくるかも?なんですけど^^;

ゆっくりペースですが、ドゾ、お楽しみにデス♪

コメントありがとうございました^^

2013-10-16 Wed 23:44 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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