2ntブログ
 
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨
雨やどり 2
2011-08-13 Sat 00:49
熱中症注意報(?)の出るほどの今日この頃です。
さすがに汗ダラダラです。

「あまやどり」と打ち込んだら、「甘」と変換されて
切ないよりも甘甘じゃん!!と拍手いただく理由がわかったような気がします 笑



では、続きから 雨やどり 2 どうぞ~~





                    雨やどり 2


 「濡れた服は乾燥機にいれておけば30分もすれば乾くだろう。
 シャワーも好きに使っていい。俺のでよければ、バスローブも使ってくれ。よく温まるんだぞ」

部屋について直ぐに風呂場に案内して、真澄は早々にリビングに引き上げた。
意識するな、というほうがムリだ、と思う。
引き上げてきてふと、
女の子の下着ってものはネットかなんかに入れないといけないものなんじゃなかったか、
なんて細かいことが気になったりした。

シャワーの音が聞こえてきたので、足音を立てないようにして風呂場に行く。
乾燥機は心配をよそに普通に作動しているようだ。
水音の強弱が生々しく感じて慌てて戻る。

「…俺はいったい、何をしているんだ…」

ひとりごちて窓の外を見つめる。
相変わらず、雨足は強いままだった。

マヤが服が乾くまで長風呂で出てきませんように。
服が乾いた頃にきちんとした格好で出てきて、その頃雨も止みますように。
胸が痺れている。

そうしているうちに、自分もマヤを捕まえに行った拍子に濡れていたことを思い出した。
濡れたワイシャツを新しい物に替えて
自分の身体が思いのほか火照っていることに気が付く。

「…バカ野郎は…俺だ。何を考えてる」

濡れたシャツをかけて、リビングに戻る。
ダブダブしたバスローブを着けて、髪の雫を拭きながらソファに座っているマヤを見て
心臓が飛び出しそうになった。

「シャワー使わせていただいて、すみませんでした。速水さん、使わなくても大丈夫だったんですか?」
「え?は、ああ、もっとゆっくり温まっていれば良かったのに」
「だって速水さんも結構びしょ濡れだったでしょう?そのままにしてたら洟垂れ速水になりますよ」

そう言いながら、堪えきれないのか語尾に笑い声が混じる。
「…俺はいい…」
そんな、好きな女が使った跡が生々しいシャワーなぞ使ったら理性などふっとんでしまう。
「何か飲むか。コーヒーしかないけどな」
動悸が治まらない。何か作業をしていないと平静を保てない気がする。

「速水さん、お屋敷もあるのにこんな大きなお部屋も持ってるんですね」
「仕事で缶詰の時はここの方が落ち着くからな」
「彼女と過ごすのにも都合がいいですもんね」
「バカを言うな。チビちゃんといえど女性の客は君が初めてだ」

「へ、へへぇぇ…」

「だいたい君は無防備過ぎる。いくら嫌いなヤツでも、男の前にそんな格好で出てくるな」
「そ、そんなことがあれば前よりもっとキツク噛み付きます」

「…それはカンベン。まぁそんなことはまず無いから安心したまえ」

そう軽口を叩きながら、真澄はマヤの姿を直視することが出来ないままだった。
マヤはマヤで、嫌いなはずの真澄にも自分は相手にもされないのか、と軽く失望をしていた。

しばらく無言が続く。

どうやら雷は治まり、雨もあがっていく気配をみせている。

「連絡を入れないでいいのか」
「あっ!!忘れてた!!」
「使っていいぞ」

マヤは慌てて店に電話を入れた。雨でびしょ濡れになったので、着替えてから行く、と。
真澄は心の中で、もう今日は行かない、とは言わないのか…と気落ちする。
大きすぎるバスローブの裾から、ほっそりとした素足が伸びている。
身体のラインがわからないので助かった、と後姿を見ながらぼんやりと考えていた。

どうしても手に入らない、この子の気持ち。
諦めても、そして見合いをしてデートを重ねても、この子への気持ちを抑えることが出来ない自分。
男として意識されていないことが、寂しかった。
いや、男としてどころか…殺したいほど憎まれているのだろう。

なのに・・・どうしてこの子は簡単に背中を見せるのだ?
素直に風呂に入る?
車に押し込まれて抵抗しない?

憎むなら…もっと俺を拒絶してくれ…
絶望して死にたくなるほど、俺を拒絶してほしいのに…
何故、俺を受け入れる?
時々胸が躍るような、優しい心遣いを見せる?

もし。
もし今ここで自分の想いをぶつけてしまえば。
この子が嫌がろうと泣き叫ぼうと
自分の想いを遂げようとすれば…
最後に俺の喉を噛み破ってくれるのだろうか?
俺は苦しみから解き放たれるのだろうか?


真澄はマヤの後ろに近づいた。
受話器を置こうとするマヤの、濡れた髪に手を触れた。









                    つ!づ!く!!!


ごめ~~~~~ん!!引っぱるねぇ~~~~~!!!
関連記事
別窓 | 雨やどり | コメント:2 | トラックバック:0 | ∧top | under∨
<<雨やどり 3 | はね吉 がらすの森 R-18 | 雨やどり 1>>
この記事のコメント
切ない系です!
こういう無防備さが、天然マヤちゃん小悪魔説浮上する感じですよね♥
もうもう、こういうシチュは大好きです♪
続きを楽しみにしてます♡
2011-08-13 Sat 09:08 | URL | とみぃ♡ #-[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011-08-13 Sat 14:50 | | #[ 内容変更]
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
∧top | under∨
| はね吉 がらすの森 R-18 |