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雨やどり 4
2011-08-20 Sat 05:08
どきどき展開も、放置すると萎えてしまいますな。 反省

本当はずっとずっとずっと、考えてはいるのです。
は、と気が付いたら25時、(寝てしまってる)ってことが多くて
うわっ、石は投げないで~~~

マヤたんが自分の気持ちをはかりかねてマスに向き合おうとしたとたんに
ドライヤーのスイッチを切ってしまうマス。
『さ、その話は終わりだよ』って言われた、って思っちゃうよね…
少なくともワタシは、そういう系統の乙女でした…
以前は!!

今頃になって反省してます。

あの時…もしも…って。


では、続きからどうぞ。










              雨やどり 4


 自分は今、何を言おうとしていたのだろう。
マヤは真澄が席を外したあとも、床に座り込んだまま考えていた。

会えば必ずからかわれる。反撃すれば爆笑される。何故かお節介を焼きにくる。
冷血漢と言われる男だが、よく考えれば自分は
涙を滲ませるほど笑っていたり、優しい笑顔を見ているほうが多かったような気がする。
そんな速水が見合いをしたと。
結婚するかもしれないと聞いた時、心に風が吹き込んだように感じた。
見合い相手をエスコートする笑顔は、自分の知っている笑顔とは違った。

自分だけに向けられていたのではない、笑顔。
自分の知らない姿。
それに言いようの無い寂しさを感じた。なぜ、さびしい、と?
結婚する、ということで…彼との時間は無くなるとでもおもったのか?
それは…?
その気持ちは、いったい何?




「ちびちゃん、そんなところで寒くないのか」

優しい声に心臓が鳴る。

「速水さんは…」
「ん?」
「速水さんは本当は優しい人なんでしょうね」

「どうしたんだ。君が俺を誉めるなんて、また雷が鳴りだすぞ」

「そんなふうに…そうやってからかうから、あたし素直に聞けないんです」




「…お見合いしたあの人は、素敵なひとなんでしょうね」
「なんだ藪から捧に」

「あたしちびちゃんだし。いつでも速水さんに食ってかかるし素直じゃないし。
それで速水さんもからかうしイジワル言うしイヤミだし」

「????」

「だけどあんなに綺麗で優しそうで素敵なお嬢様だったら、
きっと速水さんだって初めから本当の紳士で優しい人のままでいられたんですよね」

「あたしだって一番初めに会った時は優しそうな人だって思ってたわ!
でも速水さんはあたしがジャマなんだって、キライなんだっておもったから
あたしだって速水さんのこと嫌いなんだ、って思うようになったのに!
なのに、どうして?!
どうして今になって、キライじゃない、なんて言うの?!
こんなにドキドキするくらい、優しくするの?!」

「マヤ…?」

「舞台をみるのが好き、なんて言うの…?」

泣き出しそうになっているマヤに近づいて、頭を撫でようとした。

「触らないで!!」

マヤの激しい拒絶の声に、真澄は傷ついた。
ああ、これでいいのだ。
ここまで拒絶してくれたほうが、忘れられる、とおもう。

「これ以上優しくされたら、あたしはもっと優しくしてほしい、っておもってしまう
本当の速水さんを知りたいっておもってしまう
あたしの本当の気持ちを知りたいっておもってしまう…!」

「…ほんとうの…?」

「もし俺が」

そっと頭に手をあてる。

「本当に素直な気持ちで君に優しくしたなら…君の混乱は解決するんだろうか?」

さらさらと、髪を梳く。

「俺のほんとうを知ったら、君はそのまま受け止めてくれるんだろうか?」






「…こんな…罪深い、俺でも」



苦しそうに搾り出した真澄の声を聞いて、マヤははっ、とした
青ざめて苦痛の表情をしている真澄の顔は、すぐ側にあった。


「許してもらえるとは、初めから思っていない。
 罪滅ぼしと思って優しくするわけでもない。
 でも…受け止めてもらえるなら…これ以上に嬉しいことはないよ」

「マヤ。本当にあの時はすまなかった。俺のしたことは許されることじゃない。
 許さなくていい。本当に…申し訳ないことを…」

真澄は床に座り込み、マヤの膝の側に頭を下げた。床にこすりつけるほどに。
最後は言葉にならなかった。

「速水さん、頭を上げてください。おねがい」

真澄は頭をあげて、マヤを見た。
マヤは泣いていた。

「ごめん…マヤ」

そう言ったとたん、マヤが真澄の胸に飛び込んできた。
とっさのことに体勢を崩しかけて、マヤの身体を抱きしめた。

何も言えずにいると、マヤは大きな声で泣きじゃくり始めた。

「ごめん…ごめん…マヤ…ごめん…」

「ごめんなさい、泣きたいの。ただ泣きたいだけなの」
「ここで、泣きたいだけなんです。泣かせて…」



真澄は、子どものように泣きじゃくるマヤを
きつく抱きしめ、頭に頬ずりをし、くちづけた。



どのくらい時間がたったのか。
しゃくりあげていたマヤも、落ち着いてきたようだった。

「だいじょうぶか」
「はい」
「…もう、中打ちは…?」
「お開きになっちゃったかもしれないですね」

「だいじょうぶなのか」
「風邪をひきそうになったから、とか適当に言います」
「そんな泣き腫らした目をして?」
「目から鼻水が垂れて止まらなかった、って言います」
「ぷっ」
「うふふふ」
「やっと笑ったな」
「速水さんこそ死にそうな顔してましたよ」
「優しくしようとした矢先にからかうのか、君は」
「誰かさんのがうつりました」
「はははは」


「これから…どうなるんだ?俺たちは」
「…お互い、嫌いじゃない、ってことで」
「嫌いじゃないって…好き、ってことではないのか?」
「うむ~~~~~~ん、それはこれからの心がけ次第、ですかね?」
「上から出るな、君は」
「上だと思ってますけど、なにか?」
「いや…いい。ガマンするから」

「…何を?」

「本当は、君にキスしたかったけどガマンする」
「キスしたらもっとしたくなってしまうから、ガマンする」

「とっ…とっとっとっ突然しょっしょっ正直になりすぎっ!!」
「でもな、そんなカッコウでこんな体勢でいてそんな気持ちにならなかったら
 それこそ冷血人間だぞ!ちょっとはおれの気持ちも考えてくれ!」

「まだそこまで受け止めきれませんっ!!」

「そうだろうな!だったら早く着替えて来なさい!」

「はっ、はいっ!!」

ぱたぱたとマヤはバスルームに走っていった。
真澄はふう、とため息をついて、マヤを見送る。

窓の外は雲の間から月の光が透けて見える。

「優しくしなかったから、嫌いなんだ、と思った…か」
今ならまだ、冷たくすれば諦めてくれて、縁談は無かったことになるのだろうか。
朴念仁め、と義父に睨まれておしまい、になるのだろうか。

月の光が恥ずかしそうに、出たり隠れたりしながらこっちを見ている。
まるでマヤのように。


「早く満月が来るといいな」














        おしまい。




バッサリ切ってポイッ!!が出来ませんでした!
でも、切ないせつないシーンが書けたかな?

よく考えたら社務所設定と激似!!
…こうなったら、話が早かったけど。


うわわわわわ!もう朝!!とりあえず寝る!!(?????)

お付き合いいただきまして、ありがとうございました♪

そうそう、さだまさしの「もうひとつの雨やどり」という歌が好きでした。
ちょっと下敷きになってます。


では、股~~~!


 
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この記事のコメント
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2011-10-23 Sun 19:20 | | #[ 内容変更]
Re: ロ○オ○ん様☆
初コメ、ありがとうございます!!
何度かお越しいただいてたのですね?ほんとに、ようこそお越し♪でございます!
二次の世界に迷い込んでしまわれたのですか…ご愁傷さまです…><
楽しいけれど、悪魔の囁きが~~~ですよ、お気をつけ下さい!!
気がついたら「かいて」ますよっ!!
ロ○オ○ん様にあるマスマヤ妄想、形にしてみたいっ、ていつか思ってしまいますよ!!
で、キリ番などにリクエストなどなさってみて~~^^
ウチももうすぐキリ番がめぐってきます。
エロ祭開催中でも、普通のお題で結構ですので~~!
切なくて、甘甘で、SMで最後はどエロ、とてんこもりでもOK!
(とか言いながら結構難しいぞそれ)
よろしかったら狙ってみてくださいね~~^^

またお待ちしてます☆
2011-10-27 Thu 01:28 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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