ぬくぬく? 2
元旦。
つかの間の正月休みだ。新春公演があるために、海外脱出など出来ないのが辛いところだ。
マヤは聖の車で、真澄は自分の車でとある高速道のPAまで別行動をする。
そこでマヤと合流し、雪深いひなびた温泉旅館に向かう。
マヤも真澄も正体を隠している。名前も「藤村」で予約している。
「なんだかすっごく、悪いコトしてるみたいですねっ!!」
マヤは男の子みたいなヤンチャな表情で嬉しそうにささやく。
「どこが悪いコトなんだ」
「だって!名前も変えて、メガネかけたりなんかして!スパイの映画みたいっ!!」
「脳天気な悪いコト、だな」
とりあえずは…「不倫」という枠のなかにマヤを巻き込まなくて済んだのは本当に良かった、と
真澄はしみじみと感じていた。
脳天気にはしゃいでこの状況を楽しんでいる。
向うに秘密を知って嘆き悲しむような存在があるとすれば、
マヤを幸せにすることも楽しませることも出来なかっただろう。
マヤがマヤのままで、生きることができる…
これが、自分にとっての最上の喜びなのだ、と心に刻んだ。
仲居の従業員が部屋を出た後、真澄は早速マヤを腕に閉じ込める。
「さて、『悪いコト』を始めるか?」
マヤがぼん、と音が鳴るような勢いで赤面する。
「わ…悪いコト、なんかしませんよっっ…」
「なんだ、まだ焦らすつもりか?」
マヤの頬に唇を押し当てる。
「お…お正月早々…悪いコト…なんか」
「ま…元旦だしな…」
そのままゆっくりと頬をついばみながら、耳たぶに辿り着く。
「えと…せっかく温泉に来たんだし」
「小さいけど露天風呂もあるらしいな」
熱い息と共に、耳に囁きかける。
とろん、とした潤んだ瞳でマヤは真澄をみつめる。
「お風呂で…身を清めてから…」
その瞳にからめとられて、真澄は動けなくなる。
「お正月だからイイコト…ぬくぬく、ごろにゃん、ってしましょ…」
さっきまで子どもみたいだと思っていたのに。
そんな言葉で自分の魂を掴んで、奪い取っていく。
身を清める余裕なんて、もう自分には無い、と思う。
「…い…イイコト…?」
マヤはするり、と腕から抜ける。
さ、と自分のかばんから入浴用の準備を取り出しにかかる。
真澄の下半身は既に準備が始まりつつあった。
正月休み捻出のために無理を重ねた身体の、血液が急に高速循環している気がする。
「愛し合うんだから…イイコト、でしょ?」
頬を染めて照れながら首を傾けて見つめてくるマヤ。
そんな仕草で囁かれたら…心臓がどうにかなってしまいそうだ。
ぷちん。
「わっ、わっわっ、速水さん!!ダイジョブッ?! ぅわぁぁっ!!」
真澄の美しく筋の通った鼻の下から、薔薇のように美しい…
鼻血が。
たり、と姿をあらわした。
「体調、だいじょうぶなんですか?!無理したんでしょう?今日はヤメておいたほうがいいんじゃないですか?!」
マヤはティッシュを掴んで、そのまま真澄の鼻をつまんだ。
「ら…らいじょーぶら…!きろーぼがばんしたんらから…きょーぼおあずけらんて、おれりはたえられらい…」
「もうっ、ばかっ!」
「ばやとどぅくどぅくしたいんら…」
「ナニ言ってんだか、わかりませんっ!」
鼻血が止まってから、体調のせいではなく
有り余る精力のなせることだから、とマヤを説得していそいそと露天風呂に向かう真澄であった…
つづく…><
あああ…進まない…ごめんなさい><
鼻つまみ真澄語、解読できましたか?
「だ・・・大丈夫だ!昨日も我慢したんだから、今日もおあずけなんて俺には耐えられない」
「まやとぬくぬくしたいんだ…」
でした。
それでは今宵はこのへんで。
今日から学校はじまります!お母さん達、お疲れ様!!
3学期も、いいこと楽しいコトいっぱいあります様に・・・!!
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