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紫のバラのひと 3
2012-05-31 Thu 01:03
今宵も

 はね吉 がらすの森 ~引っぱり癖、っていうヤツ?~


  …に、お越しくださいまして、ありがとうございます♪


この頃「連載」にしてしまう癖がついたような気がします…。
いいのかな?どうなのかな?








 …では、続きからドゾ!!









           紫のバラのひと 3





 速水さんは近くのおしゃれなパスタのお店に連れて行ってくれた。
今日は紫のバラのひとに初めて会うという極度の緊張から
北白川さんとの食事やらであたしの神経は疲れきっていた。
結局紫のバラのひととのご対面が叶わなかったので
ここまできたらもう、どうでもよかった。
あたしがずっとぼんやりしていたからかもしれないけれど、
速水さんは一度もからかったり皮肉を言ったりすることなく、
あたしのことを観察してるみたいだった。

「さぁ、メニューを見て。なんでも好きなものを頼みなさい」

メニューはイタリア語、で小さくその説明が斜体文字で和訳して書いてある。
でも、ミートソースとボンゴレとナポリタン、くらいしかパスタの種類を知らなかったあたしには
何が食べたいのかどんなソースなのかさっぱり見当がつかなかった。
幸いにもカウンター席だったから、速水さんに「コレって何味ですか?」って全部きいてみた。
いつもだったら「きみ、そんなことも知らないのか!!」って笑ってそうだわ、って思ったけれど
案外素直に「これはアラビアータ、ちょっと辛味のきいたトマトソース」
「ジェノベーゼ。松の実とバジルをすりつぶした緑のソースで和えてある」
「ペンネというペン先のような形をしたパスタ…きみにとってはマカロニ、だな」
とわかりやすく説明してくれた。
話を聞いているだけで、食欲がわいてくるのがわかった。
お腹が「ぎゅううううう」って鳴ってしまう。ああああ、バカ!!
とうとう、速水さんが我慢できずに肩を揺らして震えている。
あたしはドレスの色と同じくらい、赤くなってたと思う…。

2種類でどれにしようか悩んだけれど、
結局いつも食べるボンゴレにした。
ジェノベーゼに挑戦しようかと思ったけれど、悩んで悩んでやっぱりやめておいた。
そしたら、速水さんは
「おれはいつもここではジェノベーゼなんだ」って言って
ボンゴレとジェノベーゼをオーダーした。

カウンターで並んでいるので、速水さんの顔は見えない。
でも、多分、あたしが戸惑うような瞳になっているような気がした。

「今日は素晴らしい発見があったよ。
 芝居の事を考え出したらさすがの『食いしん坊万歳』なきみでも
 食事のことを忘れてしまうんだということがわかった」

「またそうやって人の失敗を…!」
「いや、そこまで熱心になれるものがあるというのは尊敬と憧れをいだくよ」
「絶対ウソ、だわ」
「ははは、おれの話はいつまでたっても素直に聞こえないんだな」
「いつもがいつもですから」

速水さんはふっと口をつぐんで、あたしの顔をのぞきこんだ。
あたしはびっくりして我に返る。
また、説明が出来ないような表情の瞳…。

「…そうだな。いつもきみを泣かせてばかりだ」
ふ、と笑って、また正面をむく。

ほら、そんな事言って…。
あたしが本当に困るのは、この人がイヤミ言ったりからかったりすることなんかじゃない。
そんなふうに寂しそうに笑ったり
あたしが何かしている時に自分の事みたいに嬉しそうにしてる瞬間だ。

困ったところで、料理が運ばれてきた。
すごい。いい香り。
あたしが今まで食べてきたパスタと生まれた国が違うんじゃないかしら。
やっぱりイタリア語の名前だけあるわ。

「ううう、おいしいっ!」
「そうか」
「速水さんの…ジェノベーゼもおいしそう…ですね」
「だろう?」

速水さんはくるくると器用にフォークに巻き取り、ぱく、と食べた。
「うん、うまい」

…そういえば…
速水さんの何か食べている様子って気にした事無かったな。
鯛焼きあげた時も、話しているうちにいつの間にか無くなってた。
こんなに身体が大きいんだから、よく食べるんじゃないかなぁ、とは思うんだけど。

速水さんはまたくるくるとフォークに巻き取って
「ほら、あーん」とあたしの口元に差し出した。
そういうことには条件反射で口を開けてしまうのはあたしの癖だった。
しまった。

「ぷぷぷぷぷ」
また速水さん、震えてる!!
「きみ、ツバメの子みたいだな」
あたしは全身の血がジュワッ、と熱くなった。

「まったく、食べさせ甲斐があるというか母性本能を掻きたてるような口の開け方だ」

「おっと、おれは男だから父性本能だったな」

「ほら、もっと見せてくれ、食え食え」

速水さん、面白がってさっきとは違う、口に入るの?それ!!っていいたくなるようなパスタをフォークに巻いている。

「もーーーーーう、レディーに失礼でしょっ!!そんな、食べるわけ無いでしょっッッ!!!」

「えーーー。つまらんなー」

「速水さん、あたしで遊んでますね?」
「きみも察しがよくなったな」
「遊んでないでさっさと食べなさい!!」
「はーーい」

何やってんだろう、あたしたち。
こんなところ、他の人が見たら
まさかこの人があたしの天敵だなんて思いもしないのかもしれない。
特に速水真澄がこんなにふざけたり遊んだりしてるなんて
会社の人は信じないのかもしれない。





          つづく^^




 パスタを食べるシーンはもっとあっさりと通過するつもりでいたのに、
また楽しくなってきてやっちゃいました。
想いの通じ合ったマスマヤも
まだ天敵にしか思っていなくて、でも気にしている状態のマスマヤも
大好き、なんですよ~~~♪

「あーん」「ぱくっ」をしたかったんですよね~
ラブラブじゃなくても。
ピロピロ笛の間接キッス、なんてこともありましたね~~
ココでは「あれ?こだわらないの?」ってくらい、あっさりスルーしちゃいましたけど。

ああああああ、そうやって伸びていってしまうんだね、連載もの。

いただいた拍手メッセージのお返事、溜めていて出来なくてごめんなさい><
最近ちょっと眠たくって…
もう少し待っていてくださいね~~


それでは今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように~~~~♪














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この記事のコメント
承認待ちコメント
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2012-05-31 Thu 02:08 | | #[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-05-31 Thu 02:18 | | #[ 内容変更]
はじめまして
初めてコメントします。

いつも楽しく拝見しています。
ここのところ本編がつまらないので
二次の作品が一層楽しみになっています。

ところで、はな吉さんは西日本の方ですか?

「憶えておられる」「立派になられる」「来られない」
など、「~られる」って言葉が私の故郷の
辺りの言葉と似てるな・・・・と親近感
を持ってしまいました。

ちなみに、私は岡山県出身です。
現在は横浜在住です。

また、明日も楽しみにしてます!
2012-05-31 Thu 08:21 | URL | おばはん #-[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-05-31 Thu 09:20 | | #[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-06-01 Fri 01:51 | | #[ 内容変更]
はい、かくしたよっ!OK?

毎度お忙しいのに「お代」ありがとうございます!!
最近オネムの時間が1時間早く来るようになってしまいまして
なかなか作業が出来なくて…ごめんなさい><
どうぞお代の心配などなさらずに妄想作業を!!
ワシも楽しみにしてますので!!

>サクサク進めよ、原作!!!!!!
禿同!!(爆)

しかしですね、妄想作業、落とし穴がありますのでお気をつけ下さいね!
リアルは大事、ですよ~~~
リア充努力して主婦業しないと、結構妨害でるとキビシーです!
ま、怒られない程度に、ですが。
そして体調管理も気をつけてくださいね~~!!

ありがとうございます♪がんばろーね☆

2012-06-04 Mon 00:54 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
Re: はじめまして
はじめまして!コメントいただいてありがとうございます^^
公開だったですけど、よかったですか?
見えなくすることも出来ますので、後からでも良かったらお知らせくださいね。

はい!はね吉は甲子園生まれの甲子園育ちで
現在神戸市周辺(神戸市ではない)在住のコッテコテ関西人です。

岡山といえば最近「千鳥」さんが岡山弁で全国区、ですね!
「ぼっけぇきょーてぇ!」はかわいらしい響きで怖がっている気配がなさそう、なのが好き^^
倉敷はよく行きました^^

お楽しみいただけて、嬉しいデス
このごろ毎日更新、ちゅうのが出来てなくて…なんですが
またぜひお越しくださいませ~~~^^お待ちしてます♪

ありがとうございました♪
2012-06-04 Mon 01:02 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
Re: 遊んで!
ありがとうございます~~~^^

ワシも○ん○ん様と同じ、餌付けされたほう、です><
で、餌付けに失敗しました><

「餌付け」という言葉が気に入って、つい使わせていただいちゃいました!
事後報告ですみません~~~^^;

「あ~~~ん」のエピソードをすこし。
えと、飲食店でフロアのバイトをしてるんですが
乳幼児が大好物、なんです、はね吉。
離乳食を食べている1歳未満の男の子が、
パパとママに「あ~~~ん」ってしてもらって食べていたんですが、
その表情がすっごくかわいかったんです!!
かなり大きく口を開ける子で、いっしょけんめママパパの顔を見てニコニコ口を開けて。
「生きてる!!食べてる!!」ってかんじで。
パパママはそれが嬉しくて、優しい眼をして、食べ物と愛情をスプーンにのせてる。

会計のときに、思わず声をかけました。
ほんとにいっしょけんめ生きてる!!ってかんじで感激しました、って。
そしたらママが
「やっぱりこの子、クチ、大きいですよね?!」って嬉しそうで。
食べさせ甲斐ありますね~~って笑ってたんですが

ああ、幸せなんだろうな~~って思いましたとさ。

そんな天真爛漫な魅力が、マヤたんにも備わってるんだろうな、って
このエピソードに使わせてもらっちゃった次第です。
うふふ、制作秘話って」いうんだろうか?

やっぱり人となりは食事でわかる、かな。
いっしょに食べてみて、イイナ、っておもったらOK!なんじゃないでしょうか!!

早く気づけよ~~~真澄!!

ありがとうございました☆
2012-06-04 Mon 01:17 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
ありがとうございます~~^^
あ、そか!!まだ20代だったんだね、真澄…
つい、いつも波平さんのような口調で喋ってるので…

「ちょ、まーてーよー」とか「ぶっちゃけうまくね?」とか「やべぇ」とかは
言って欲しくはないですが
歳相応の無邪気なイチャイチャはさせてあげたいですね~~
(じゃれあってるのもイチャイチャのうちだ)
マヤたんに叱られて嬉しそうにニヤニヤしてる真澄…
目尻がだだ下がり、なんでしょうね。いいね、しあわせだね^^
それを喜んでいただけてよかったです~~

この手のダラダラとじゃれついてるだけでオチのない話ならいくつでも書けるわ!!
(レストランの支配人、のオーディション時風に)
…と自身にプレッシャーをかけてみる…
シリーズ化してみようかと考える…

えへへ、ありがとうございました!!

2012-06-04 Mon 01:30 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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