金環食で!!「案外テラスでも十分観察できそうだな」
「良かったですね、晴れて」
「目覚ましを3個も鳴らしてやっと起きる子が
鳴り出す前に目覚めるなんて雨が降るかと思ったけどな」
「なんでこんな爽やかな朝にイヤミ言うんですか」
「日食グラスって結構ピンきりあるんですってね」
「目に当ててから上を見るんだぞ。目玉焼きになりたくなければな」
「マヤの目玉焼きはアヒルの卵くらいか」
「ダチョウって言われなくて良かった」
「言わなくて良かった」
「やっぱりそう思ってたんだ…イヤミ!」
「お天気お兄さんが言ってたんだが」
「なんですか」
「小さい穴の開いたものの影も面白いらしいぞ」
「どんなもの?」
「おろし金や穴あきお玉、クラッカーやプリベイトカードの使用済み、なんかだ」
「へえ~~~持ってきます」
「とりあえず、おろし金と~~穴あきおたま、持ってきました!」
「もう、だいぶ欠けてきたみたいだな」
日食グラスに見える太陽は、欠けた月のように見える。
太陽を喰い進んでいたように見えた月は
そのうち
太陽に丸ごと飲み込まれて…
月に後光が差すかのように美しいリングが出来上がった。
「わああああああ、キレイですねぇ!!」
「おろし金の影も見てみよう!」
「わわわ、おもしろーーーーーーい!影が全部リング型だぁ!」
「おたまもーーーーー!!こっちのほうが面白いですねえ!!」
「ほら、手の平にも映ってるぞ」
真澄がお玉の影を手の平に乗せる。
それをマヤの目の前に突き出した。
「あ、ホントだー!!! って…え?」
真澄の手の平には、本物の金のリング…
マヤの薬指のサイズの、ダイヤモンド・リングもいっしょに乗っていた。
「太陽の約束の指輪だ」
「受け取ってくれるだろう?」
真澄はうろたえるマヤの左手をとり、薬指に指輪をはめた。
「…マヤ…感想は…?」
「速水さん…こんな…お玉持ったままで…!!」
さすがにムードは半減だった。
「………
おったまげた~~~~~~!!wwww」
長い身体を小さく折り畳んで、真澄が脱力した。
それを必死で謝ったりなだめたりするマヤ…
もとの真澄に復活するまで、ふたりは太陽を眺めることなく
いつの間にかいつもの太陽に戻っていたのだった…。
おしまい~~~~~♪
うわ~~~~~~~~~~ん、殴るなり蹴るなり煮るなり焼くなりして~~~~~~!!
晴れたらいいですね!
ロマンチックでなくってごめんよっ!!
それでは今宵はこのへんで。
安全に観察してくださいね~^^
明日もいい日でありますように☆☆☆
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