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星の囁き 1
2012-07-12 Thu 01:12
今宵も  


 はね吉 がらすの森 ~なんとか、スタートします~


   …に、お越しくださいまして、ありがとうございます^^

不安定な気候の梅雨、ダイジョブですか?
お気をつけ下さいね。



それでは、HKD48手の中から

 25.夜這い星
 26.星の囁き
 44.見ちゃ、ダメ!


 …で参ります~~~^^

七夕で星のオハナシもいいでしょう…なんだけど
時期は夏ではないのです~~~ううう。
そこが辛いところ、なんですが。
ムリヤリいきます!!ごめんしゃい。
で、またズルズル続きます。一気に書けないので…ゴメ!!



 では、続きからドゾ!!









                星の囁き 1



 10月下旬。
紅天女の継承がマヤに決定してから、二週間が過ぎようとしていた。
月影千草は、紅天女を継承させる為の重圧から解放されて
体力の低下が危ぶまれていたが、東京で入院・加療の後小康を取り戻した。

月影千草は、紅天女の故郷である梅の谷で余生を過ごしたい、と強く希望した。
それも出来るだけ早く辿り着きたい。
そこで演劇協会が責任を持って千草を梅の谷へ護送する、と申し出た。

紅天女の本公演が始まってしまえば、「故郷」ということで梅の谷は注目を浴びることになってしまうだろう。
あの梅の谷を、俗人の手で荒らされるのはしのびない。
それは月影のみならず、速水英介・真澄や紅天女に携わった全員が望むことだった。
真澄は演劇協会の理事として、また興行を執る立場として
梅の谷を神秘の杜として保存していく案を自治体に提案する目的も兼ねて
千草の帰郷に同行することになった。

婚約破棄に向けては、「結婚式の無期延期」とだけは公式に発表されている。
両家の婚約破棄の確認は出来たが、会社の業務提携の解消調整などに関係するので、
それが整い次第婚約解消の発表をすることになる。

秋の梅の谷はどんな様子なのだろうか。
厳しい冬に向かって、杜は澄み切っているのだろうか、と真澄は想像をめぐらせていた。

マヤは簡単に連絡が取れないくらいに多忙を極めている。
自分とて同じことなのだが。
最近は雑誌やテレビのインタビューコーナーなどでも頻繁に見られるマヤの顔が
疲れからか幾分か同じ表情に固まっているように見える。
あっさりと大都芸能に再契約を結んで、『自分のもの』になったマヤだが
すれ違う瞬間すら無い多忙でなおさら遠い存在になってしまうのではないか、との焦りが芽生える。

「あの子のことだから、先生を梅の谷にお送りする役目をしたかった、と怒るでしょうね」
「そうね…あなたもその方が良かったのではないの?」
千草が思わせぶりな笑顔で返す。
マヤがあっさりと大都所属を決めたことに、千草は何か感付いたようだった。
あえて確かめてこようとしないのは許している、ということなのだろうか。

東京を出てから半日をかけて、ゆっくりと梅の谷の山寺にたどりつく。
マヤと亜弓が生活していたという部屋で真澄も泊まらせてもらうことにした。
千草は到着して直ぐに床につき、真澄は源造とともに夕餉をすませた。

「こんな田舎ですから、電波も届かないような本当に何もないところで。
 いいのですか?お忙しい速水様は一刻も惜しいと思うのですが」
「いえ、だからこそたまにはこんな場所で心身ともに開放されたいものですよ。
 こちらでの大切な仕事は義父の願いでもありますし。
 申し訳ありませんが、ご厄介になります」

源造も休んでから、真澄は以前天体観測をした丘にいってみよう、と思いついた。
実はそのために寝袋や厚手の毛布も持ってきていた。
無類の星好きな自分にとって、秋の天体観測ほど魂の洗濯ができる機会はない。
多少寒くても星空を漂うことができるなら。
真澄の心は躍っていた。


秋の梅の谷は、やはり都会に比べると冬の訪れが早いような気がする。
冷気が真澄の吐く息を白くさせる。
星はギラギラと恐ろしいまでの勢いで、競い合って光っているように見える。
都会に比べて力が強いようにさえ思う…。
寝袋までは必要なかったか?
真澄は枯れ草の上に毛布を敷き、その上に寝そべった。

マヤと見た春の空とはまた違って…スピカは見えなかった。
低い位置で輝いていた白鳥座は、今は真上に見える。
デネブとベガと北斗七星くらいは、マヤでも探せるようになったのだろうか。

…今頃…どうしているだろうか。
時間に追われて、疲れて眠り込んだりしていないか。
前に会ったのは再契約の時だった。
社長室で、緊張しながら契約書にサインをしていた。
個人的な話は一切できなかった。

…あの約束を…マヤは待ってくれるのだろうか。

いい形で、マヤを伊豆に招待したい。
いい形…いいかたち。
なにが?どう?

あいたい。
いいかたち、ってなんだ。
完全に婚約解消したら、ということがそうなのか?
今は?
両者の間では完全に婚約解消成立なのだ。
おれに婚約者が他にいない、ということがいい形、なのか。
あいたい。
マヤに、あいたい。
会って…




流れ星が、ひとつ。

「マヤと…」

そう呟いて、あとは心の中で唱えた。
口に出来ない…だけではない。時間が足りない。

「昔は…俺の願いは一生叶わない…ってひねくれていたものだな」
と、一人ごちた。

「どんな願い事だったんですか?」

絶対に忘れもしない、愛おしいひとの声。
驚いて飛び起きた。


今のいままで、会いたいと願ってきたマヤの姿が、そこにあった。









           つづく。











説明ばかりの①、でございました><

梅の谷天体観測…秋の部は、春の部と対になってますね、うふふん。
ふたりの距離は、アストリア号下船から進展はしていません。
そう、忙しくってそれどころじゃなかったの!

でも、会えない時間が、それぞれの愛を育てちゃったかもしれませんがね、あはん。



それでは、次回につづきます、どうぞお楽しみに。


それでは今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように♪♪








 




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