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舞台が跳ねたら 2
2012-09-06 Thu 10:02

今宵も

 はね吉 がらすの森 ~ポメラで打ってみた!~


  …に、お越しくださいまして、ありがとうございます~~~

M嬢にオススメいただいたデジタルメモ帳(キーボード付き)。
いやぁ、便利便利。


5~10分ほどの空いた時間にちょこちょこ打ち込んで
あとでPCにどん、と移動、貼り付け作業で更新!!
いやぁ、便利便利。

もちろん、PCに移した段階で推敲はするのですが、
何時間もPC前で唸りつつ打ち込んでいたことを考えると
忙しい主婦には圧倒的に短い時間でできました。
いやぁ、便利便利。

ノートに書いて、それをPCにまた初めから打ち込んで…なんてことしてましたからね。
〇〇の待ち時間に、とか
そんな隙間時間をフル活用できますもの!!


いやぁ、便利便利。




それでは、続きから、ドゾ!!


・・・・・・Mさま、ほんとアリガトございました~~~~!!!!





          舞台が跳ねたら 




今日、舞台が跳ねたら。

開場が6時、開演が6時30分。
あたしは2時間の狼少女を生きる。
それからアンコールや楽屋挨拶があって8時45分・・・あぁ、9時には出られるんだろうか?
今日は挨拶はちょっと失礼して帰り支度に入らせてもらおう・・・
紫のバラのひとにいただいたコロン・・・使ってみようかな。
・・・って どうして速水さんとゴハン食べるだけでこんなに意識してんだろ?!


今日、舞台が跳ねたら。

「忘れられた荒野」はおよそ2時間・・・ざっと見積もって9時頃には電話がかかってくるだろうか。
今夜、携帯の番号を教えておこう・・・いや、マヤに携帯をプレゼントするほうが早いか・・・?
いやいや、差し出がましいかもしれんな、ゆくゆくはそうしたいが・・・そう焦るな。
それにしても、何が食べたいと言い出すのだろう・・・
いや、それよりも残業が増えないように、仕事を進めなければ!!
だからといって手を抜かないのが速水真澄だ!ビシビシいくぞ!!


その日の「忘れられた荒野」は喜劇バージョンだった。
昨日より数倍ジェーンがノっていて、狼風のボケやツッコミのキレがよく、
共演者が吹き出すのをこらえられなくなったりと観客は爆笑に次ぐ爆笑だった。
反面、シリアスな場面では人間らしい愛情の目覚めがより深く表現されて、感動の涙で会場は嗚咽した。
カーテンコールの後、桜小路がささやいた。

「マヤちゃん、何か良いことでもあったの?」
「え?どうして?」
「今日の芝居、今までと随分違ったからさ」

真澄との約束が、自分をそんなに変えてしまう力を持っているのだろうか、と
マヤはあらためてときめきと戸惑いを感じた。

「・・・まぁ、ちょっとだけ、ね」
「気になるなぁ・・・」
「えへへ・・・ナイショだよっ!」

真っ赤になって照れるマヤを見て、
桜小路は直感で自分の立ち位置を揺るがすライバルの存在を感じ取ったのだった。


「今日は何を食べて帰る?」
「ううん、ゴメン桜小路くん。今日は先約アリなの!」
「えっ?!」
「じゃ、急ぐから!お先に!」

すぐさま、劇場の公衆電話から真澄に連絡する。


「はい、速水です」
「もしもし、えと、北島です」
「あ、あぁ、思ったより早かったな。お疲れ様」
「はい、あの、今舞台から降りたところです。どこかで待ち合わせますか?」
「いや、そうだな。雨月会館まで車で迎えに行こう。30・・・いや、40分したら外に出ておいで」
「わ、わかりました。すごくお腹空いてますから覚悟してくださいね!」
「ふふふ、それは楽しみだ。では、40分後に」

楽屋に入るとおそろしいほどの速さで衣装を脱ぎ、コールドクリームをぐるぐるしながら鏡に映る自分を見ていた。
今日は幕が降りた途端に、自分が戻ってきた。
こんなことも、今までには無かったことだ・・・どうしてこんなに何もかも違っちゃってるんだろう、あたし・・・!
たかが、あの速水さんと食事するだけだってのに・・・!

混乱した気分のまま、ティッシュで乱暴に顔を拭って、シャワー室に向かった。




40分後。
桜小路目当ての出待ちのファンが立ち並ぶなかをするすると抜け出して表通りに出ると、
シルバーの高級車がハザードを光らせて停まっていた。
この車が速水さんだろうか?と近づくと左側の窓が降りて真澄が顔を覗かせた。

「お待たせしました」
「あぁ、お疲れさん。乗りなさい」
「失礼しまぁす」

マヤは後部座席のドアを開けて、車内にすべりこんだ。
車の前後に分かれて動揺も和らぐ。

「さて、どこに行くんだ?」
「うふふ、速水さんが行ったこと無さそーなお店、です」
「ちゃんとナビしてくれよ?」
「そんな遠くじゃないですよ。あ、ほら、もう看板見えてます」

「あそこ・・・か」
反対車線側に、駐車場のついた百円均一の回転寿司チェーンがピカピカと看板を光らせていた。
さすがに真澄の想定外の店、だった。
寿司ならここ、と店を決めているのは当然だ。
業績を伸ばしている外食産業の先端をいくチェーン店なので興味の対象ではあるのだが、
自分がそこで食事をしてみようと考えるかどうか、というと答えは「NO」だった。
少し先でUターンをして、駐車場に入る。

「ね?速水さん、行ったこと無かったんでしょ?」
「あぁ・・・全く予想すらしなかった」
「あははは~、良かった。一度くらいはいいでしょ?面白いですよ?」

店頭で案内されて、ふたりはボックス席にたどりついた。
真澄が想像していたような寿司屋とは全く違う店内。
客層もカップルや小さな子どもを連れた若い夫婦や仕事帰りのサラリーマンなど、様々で
真澄は、あぁ、ここはファミレスのようなものなのだな、寿司がメイン、というだけの・・・と理解した。

「よく来るのか?」
「えと、あたし達みたいな貧乏役者はお寿司といったらここですよ。お値段心配しないで食べられますからね」
「おれが奢ってやるのに、値段なんか心配することないだろう」
「んー、でも、速水さんが誰とも行きそうに無いところに来たかったの」
「誰とも?」
「ええ。ここならお見合い相手のひと、絶対連れては来ないでしょ?」


真澄はここでマヤから見合い相手の話題が出てくるとは思わず、驚いてマヤの顔を見つめた。
どういう意味だ?それは・・・
マヤも真澄がさぐるような目で言葉も無くして見つめているのに気づいた。
ヤダ、あたし、なんか変なこと言ってる・・・?

「あ、は、さ、ね、食べましょ食べましょ!速水さんは赤出汁とか茶碗蒸しとか、食べます?」
注文のパネルをピコピコと操作しながら、マヤは焦っていた。
自分で何を言ってるのか、よくわかった。
自分は真澄の見合い相手に対抗意識を持っている・・・
あの、美しく上品で何の文句もつけられないような極上の存在に。
たしかに真澄は、自分のことを好きだ、とは言ってくれていた。
ただ、それは結婚とは別のところの気持ちではないのか?
その極上の女性を凌ぐほど、自分に魅力があるとは思えない・・・
そして、そんな感情を真澄に対して感じてしまっていることに驚きを感じていた。
つい最近まで、嫌いだと思っていた・・・恨んでさえいた相手なのに。

そんな真澄は、見たことのない注文パネルや
メニューの種類、次々流れてくる寿司の様子に気をとられていた。
さっきちょっと気になることをマヤが口走ったが、茶碗蒸しの話題になって気持ちが逸れてしまった。
茶碗蒸し、は真澄の好物だ。

「じゃ・・・茶碗蒸しもらおうか」
「はぁい。茶碗蒸し、ふたつ、と」

「じゃ、遠慮なく、いただきま~す」
「あぁ、腹いっぱい食えよ」
「速水さん、何が好きなんですか?」
「白身、かな。平目とか。赤貝も好きだな」
「ざんねーん、平目なんんて高級なものはありませーん」
マヤは鉄火巻きをとった。
「最初から巻物なのか!」
「いいじゃないですか~。流れてくる順番に好きなものを食べたら!」

真澄は寿司が行列して流れてくるレーンを眺めた。
老舗の寿司店ではお目にかかれないようなものが流れている。
特に軍艦もの。
「なんでラーメンの味付け玉子が乗ってるんだ!まさかラーメンまで乗ってるとか無いだろうな!」
「あはは、さすがにそれはないですねぇ」

「中トロ」の札がついた皿がやってくる。
真澄はそれをとってみた。
どこが中トロなんだ、と観察する。なんだかこんなに薄く切るなんて職人技だと思う。

「はい、お茶どうぞ」
「あ・・・ありがとう」

マヤはテーブルについている蛇口から、プラスチックの湯呑みにお湯を注いでいる。
マヤはどうやら楽しそうだ。
自分は少し戸惑い気味ではあるが…記念すべき、マヤとの初めてのデート、だ。
(だまし討ち、とかは何回かあるのだが)
物珍しさも手伝って、真澄も心が弾みだすのをしみじみと感じていた。







     つづく^^




それでは今宵はこのへんで。

明日もいい日でありますように~~~♪











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この記事のコメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-09-06 Thu 13:42 | | #[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-09-07 Fri 02:27 | | #[ 内容変更]
ありがとうございます~~~!
返信不要とおっしゃってですが、やっぱり書いちゃう!

胸にずきゅうううううううん、と来ました!
どんなお薬よりも効きますね、励ましのお言葉…
ガラカメパロへの「炊きつけ」のお言葉、特に効きます!!

実際、「ちょっとオヤスミ」宣言したものの、
ちょっと回復してくるとまた泉のように湧いてきたので
うああああ、イカン、パンクしてしまうっ!とガマン汁ダレダレになってしまったのです。
(その喩えヤメロ)

「マスマヤのしあわせ」は本当にワタシ達の幸せの素、なんですね~~~^^

ムリをしないで永く楽しみたいですもんね~~^^
どうぞご自愛くださいませね。
ワタシもまたうかがって、パワーの素、戴きに参りますぅ^^

ありがとうございましたぁ~~~!!!

2012-09-11 Tue 01:06 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
あああああああ、「口車の矢七」さまっっっ^^
あなたの放つ文付きの風車…いやいや今回口車、と仰いましたが
遥か太平洋をまたいでずどーーーーーん、と胸に届くマスマヤへの愛情、
しっかりと受け止めておりますよ~~~!

まいど爆笑しております、はははは!!!

初めてのデート?しかも想いの温度差が50度は違うふたり…
そのちぐはぐさ、がかわいい~~と思っております^^
きっとね、助手席に座らなかったマヤたんに、シャチョーは
「…なんだ…どうしてそこに座るんだ!」って寂しく思ったんだろうな…って思います
答え。だって左ハンドルだし。助手席って車道に出ないとだめじゃん、って。
スンマセン、かわいい理由じゃなくて。
シャチョーに国産車を買うようにアドバイスですな。

徐々に歩み寄りをしていくマヤたんの変化が楽しいです^^
どうぞお楽しみに、でございます~~~

☆ありがとうございました☆



2012-09-11 Tue 01:17 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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