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舞台が跳ねたら 5
2012-09-17 Mon 01:17
今宵も

 はね吉 がらすの森
       ~あたしのこと、待ってて!!~


  …に、お越しくださいまして、ありがとうございます~~^^



31アイスクリーム、のね。
クレープアイスとか、カップで頼んだ時についてくる、
少し柄の長めのピンクのスプーン、ね。
あれ、好きなんです。
持って帰って来ちゃいます。

便利~~^^

自分用に淹れた飲み物をかき混ぜたり
豆板醤をぴっ、と掬い取ってまぜまぜっ、するのに丁度いい。
案外丈夫だし、そのままポイするの、もったいないし。

捨ててしまって、わざわざ「ソレ」用に
プラスプーンをわざわざ買ったりしたんだけど
「口当たり」がイマイチで。

ああ、やっぱり計算されて作られていたのね、と。

子どもが幼児だった時に始めたのでしたが、いまだにやっぱり便利で持って帰ってきちゃいます。

関西の家庭には必ず「モロゾフのプリンカップ」がコップとして使われている、


…それに似ているのかも。あぁ小市民。





なんのこっちゃ。

それでは続きから、ドゾ!!



         舞台が跳ねたら 





「何を百面相しているんだ?ちびちゃん」
湯呑みをスプーンでぐるぐるかき回しながら黙り込んでしまったマヤに声をかける。

真澄はマヤからプラネタリウムの話題が出たことに気を良くしていた。
ちゃんとしたデート、ならば
マヤが興味を抱きそうな星の話などをしながら少し距離を縮められそうな気がする。
宇宙空間に放り出されて、迷子にならないように手を繋ぎあうことも出来るかもしれない。

マヤの百面相のわけは、これまで自分が真澄に投げつけてきた暴言の数々のことだった。
今の舞台が始まる前に、公衆の面前で大喧嘩をやらかしたのを忘れてはいない。
確かに真澄はマヤの野生の怒りを呼び起こすように仕掛けたのだが
それは計り知れない愛情からくる一世一代の芝居だったのだ、と今なら理解できる。

あの時、マヤは真澄に強く噛みついた。死んでしまえ、と罵った・・・
なのに、今、こうして楽しくデートをしている・・・
少し・・・好きに、なりかけている・・・

劇団つきかげの、敵なのに・・・
かあさんの、仇なのに・・・
そんなに簡単に、好きになってしまっていいの・・・?


例えば、ジェーンが。
荒野から連れてこられて、スチュアートと暮らし始めて。
確かに少しずつ慣れてはいったが、最後の野生の砦を頑なに守り続けていた。
人間を信用しきれない思いが、そうさせていたのだろうか。
では、人間としてスチュアートに愛情を抱くようになるきっかけはなんだったんだろう・・・?


「なんだか怖い顔をしているな、ちびちゃん」また真澄が声をかけた。

「舞台が終わった後になんてへとへとに疲れていたんだろう?
 こんな時に誘ったりして、すまなかった」
「あ、え?いいえ、そんなこと!」
「いや、急にいい気になってプラネタリウムに行こうだなんて・・・
 きみにしたら迷惑な話だったな」
「そんな、別に・・・」

いつの間にか、真澄まで
あのプラネタデートの日の最後の苦悩の表情になっている。
「こうしておれが誘うのも迷惑なら、遠慮せずに断ってもいいんだよ」

「迷惑なんて・・・そんなこと・・・ないです・・・」
自分のなかにある混乱を早く整理してしまいたい。
出来れば、真澄を受け入れる方向で進みたい。
…それが本音なのかもしれない。

「だって今日・・・
 舞台が跳ねたあと、ジェーンが抜けて自分が戻ってくるのが
 こんなに早かったこと、今までなかったんです」
「あたし楽しみにしていたんです、きっと・・・」

「でも・・・自分でも整理しきれない気持ちももちろんあって・・・
 今みたいに考え込んでしまうこと、あると思うんですけど
 自分でちゃんと考えて整理しますから・・・
 だから、速水さん、待っててもらってもいいですか?
 さっきみたいに自分から降りようとしないでくれますか?」

真剣な瞳で訥々と話すマヤのなかに、真澄は恋の可能性を繋いだ。
少なくとも、真澄が自分から去ってしまうことだけはしないで欲しいと
マヤは言っているのだ。
マヤがマヤ自身の混乱と闘うなかで、
自分が寄り添っていることは許されるのだ、と。

「じゃぁ・・・また、こうして誘ってもかまわないのか?」
「・・・はい」
「休みの日に・・・プラネタリウムに行こうって言っても?」
「ん・・・まぁ・・・いいか・・・な?」

「ぃよっし!!」
真澄が大袈裟にガッツポーズをした。
「なにそれ!速水さん、らしくないですよ~!」
「ははは、そうか?あははは」


閉店間際に慌てて店を出て、マヤを白百合荘まで送る。
帰りの道、マヤは助手席に座った。

「速水さん、もう舞台は観に来られませんか?」
「あぁ…観に行きたいのはやまやまなんだが、時間が取れるかどうかは難しいところだな」

真澄の高い鼻を、ちらりと覗き見る。

「観に来て欲しい…?」優しく、深い声が降って来る。ときめいてしまう。

「えと、だって、初日は停電で散々だったでしょう?
 ちゃんとした舞台を観てもらえて無かったから…」

ハンドルを握る手は、骨ばってはいるが、美しく動く。
その手が急にハンドルを離して、自分の頭をめがけて飛んできた。
マヤの髪をポンポンと撫でる。
ドキン、と胸が高鳴る。

「散々だなんてとんでもない。十分素晴らしかったよ。本当だ」

「あっ…あっ…ありがとうございます…」

くく、と真澄が笑う。初めてまともに横顔を見る。

「なんで笑うんですか!」

「おれがちびちゃんを誉めて、それを真面目に受け止めてくれたのは初めてかな、と思って」
「…」

「自分を隠したり、誤魔化したり…
 ひねくれて斜めに勘繰ったりしなくてよくなって…本当に良かった」

本当に嬉しそうな笑顔をこちらにむけて、また、ぽんぽん、と頭を撫でた。

「…もう、気安く触んないで下さいっ」

真っ赤に茹ってしまった顔を誤魔化すように、ぷい、と横をむく。

「はははは、また急に冷たくしなくってもいいんだよ、ちびちゃん」
「もおっ、知らないッ」


いつの間にか、車は白百合荘の前に着いていた。
真澄が手帳を出し、何かを書き付けた。
「おれの携帯電話の番号だ。何かあったらここにかけなさい」
「次…おれは3日後が都合がいいんだが…」
「気が向いたら、連絡をしてくれ。きみに任せるから」

ふくれっ面のままだったマヤの顔を覗き込みながら、小さな紙片を手渡した。
「あの、えと、今日はご馳走様でした…」
「いいえ、どういたしまして。おれも楽しかったよ」
しばらくそうして動かない真澄に、マヤは怪訝な顔をする。
「速水さん?」

はぁ、と小さくため息を吐いて真澄が苦笑いをする。

「しかし…おれもこんな事初めてだったんだが…
 面白いもんだな、一般的にデートの別れ際には必ず…そんな気分になるものなんだろうな」

「はい?」

「今、マヤにキスしたいって…考えてしまった」

「わーわーわーわー、はい、さ、もう、帰る時間ですよっ、
 今日はご馳走だけでなくって
 ここまで送っていただいてホントにありがとうございましたっ、
 明日も早いですからね、さー、さっさと帰りましょう、
 あ、ホント今日は楽しかったです、じゃっっ、おやすみなさいっっっ」



「………わかったよ………」



そそくさと車を降りたマヤに、声をかける。
「電話。待っているから」
そうして静かに車は走り出し、左のウインドウからにゅっと突き出た手がひらひらと動いた。
角を曲がるところで軽く、ファン、とクラクションが鳴って
真澄の車はとうとう見えなくなってしまった。


ふと、真澄の唇が自分に落ちてくるところを想像してしまって…

「イカーーーーーーーーーーーーーン!!!」と頭をガシガシしつつ、
白百合荘の玄関を開けたのだった。





        とりあえず、おしまい。






とりあえず、一区切りします!続編はきっとアリ、ですよね。



ふふふふ、待ってて♪




それでは今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように…^^














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別窓 | HKD48手 | コメント:10 | ∧top | under∨
<<拍手メッセージ、ありがとうございます^^ | はね吉 がらすの森 R-18 | 拍手コメント、ありがとうございました^^>>
この記事のコメント
私待ってる!
2012-09-17 Mon 02:47 | URL | ponta #-[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-09-17 Mon 16:35 | | #[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-09-18 Tue 09:56 | | #[ 内容変更]
Re: ponta様
あは~~~~ん、待ってて♪

うふふ、ありがとうございました^^☆

2012-09-19 Wed 00:16 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
わーい、ありがとうございます~~^^

そういえば、ね~「忘れられた荒野:ラブロマンス版」だったかと思うんですが
ジェーンがスチュアートの手をペロペロと舐めているシーンが本編に描かれてましたよねっっ!!
あんなの、シャチョーが観たら雨月会館の真新しい座席の肘置き、ボキッって折っちゃうよ!!
きっとね、シャチョーは初日しか観に行かないだろうと思う!
どっちかっていうと、公演時間に必死で仕事片付けて、
少しでも回数多く「餌付けデート」したいんじゃないかな~~と。

そんでもって、「伊豆」までチューもしないのよ~~!
「初めてここにキスさせてもらった」っておでこチューが始めだし^^
(それで急に最後まで、なんだけど)
多分毎回「チューしたい。キスしたい」って言うんだな、中二シャチョーは。
で、毎回拒否られる。ふふふふ。

ああ、書く前からネタバレ、スンマセン><

そんな感じで「どうなっちゃうの~~!」な楽しみはないかも、ですが
ダラダラいちゃいちゃ(絡みではないが気持ちの上で)、そしてバッサリ、残念!でもメゲナイシャチョー、
な続編をズルズル続けようかと思案しております。

お楽しみにしていただけると、幸いです^^
またよろしくお願いします^^
あなたのファンより。

2012-09-19 Wed 00:36 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
Re: 20年後
わは~~~~~ん、カミングアウト最高!!
めっちゃ同意!特に「赤ちゃんのお尻拭き」!!あれ、いいよね!!
出来れば、「お尻拭き」ってわからないようなデザインのパッケージにしてもらえないかな~と。
…あぁ、ホント、ガラカメサイトで「お尻拭き」とは…
いっそばるん男爵の館で「赤ちゃんプレイ」に興じる…ゴホンゴホンゴホン。
だめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

真澄クンのジェットコースターぶりを実況中継のようにコメしていただいて、爆笑しました^^
そうそう、上げ下げが忙しいんであります。
情緒不安定か!!って突っ込みながら書いたかもしれない…ウソ。
20年後のマヤたん…まぁきっと速水夫人になってるんでしょうけど…
現在のこんな速水さんを見たとしたら…?

「あらーなんだかすごく素直ですよねー。すぐにいじけモードになるのは今も相変わらず、なんですけど。
キスしたい…ですか。アハハ、照れますね~~!
そうやって聞いてくれたほうが、ちょっとドキドキトキメキますよね。
今みたいに断りもなしに突然何処ででも、もドキドキはしますけど。ふふふふ」

わあああ、ゴチソウサマ!!!

こんな20年後になっていて欲しいですよね…!!!

すっごく親しみを感じております!!リンクするところ、多いみたいです^^
またお待ちしてますね~~☆

ありがとうございました^^☆

2012-09-19 Wed 01:14 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
かわええのう!
初めて公開コメさせていただきます!

ああ~~~♡お腹いっぱいごちそうさま!ですよ、こやつら!

「キスしたい」と言う⇒照れ隠しに大声出す

の流れに、メチャメチャどきゅんでした!!(*^_^*)

かわええ!こいつらかわええのう!
というわけでハッスルしたまま勢いでコメ書いちゃいました!

はね吉さまのSSは、「恋人ってこんな風にいちゃいちゃするよね!」って感じなのを、すごく上手にテンポよく表現して下さるので、読んでいる方も幸せな気分になれます!
2012-09-21 Fri 00:10 | URL | みかん #-[ 内容変更]
この恋人未満ぽい感じがキュンキュンするね♪
素直な速水さんと意地っ張りでツンデレなマヤちゃんが最高に可愛いです。

いつまでもやってろ♪
わしわずっと見守っててやるよ!って言いたいw
2012-09-23 Sun 00:10 | URL | ゆみこ #UXr/yv2Y[ 内容変更]
Re: かわええのう!
いやぁぁ~~ありがとうございます♪
コメ公開、痛み入ります^^

>恋人ってこんな風にいちゃいちゃするよね


こんなふうに書いてしまうと、「速水さん」像からちょっと離れてしまうかな~?という
おそれはあるのですが、
やっぱりマスマヤがケンカしながらイチャイチャするのって
ファンにとっては垂涎のシーンですもんね♪
つい力が入ってしまいますよ~~^^

一番の望みは、これを本編で観たい!!なのですが。

コメント、ありがとうございました♪☆


2012-09-23 Sun 00:27 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
Re: タイトルなし
恋人未満!
なんて魅力的な関係でしょう・・・

そばから見ているのも、自分がその状態でも
ワクワクドキドキ度がとてつもなく高いですよね~~(#><#)

「あぁ…おれの時間が許しさえすれば、やっていたいさ」
って速水さんは言いそうですね^^

今後もダラダラいちゃつきます~~^^
たいした進展はしないのですが、コソコソ、わちゃわちゃと。
どうぞお楽しみに~~~☆

ありがとうございました~~(^^)/


2012-09-23 Sun 01:28 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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