死 はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、・・・・・
・・・うぅん、あ、・・・ぁん、ぁん、あっ・・・んんっ・・・・
は、は、は、う、うぅ、・・・っ
シーツの上で、ふたりの身体が重なりあい、解れ、組み直す。
次々と角度を変え、交わっていくふたり。
しなやかな彼女の肢体は、屈強な彼の身体を受け止め、究極の美の曲線を描く。
逃げようとしても絡めとられ、舐められ、吸われて、揺さぶられて。
上になり、下になり、組み敷かれ突き上げられて。
「まだだ…まだ…まだ、いくぞ…」
「も、もう、ダメ…壊れそう…ダメになっちゃう…」
「もっと…もっとだよ…まだ…抱きたい。もっと、こうして…ふたりで乱れたい…」
「もう、ダメ…死んじゃいそう。…死にそう…ああぁぁん…ね、ね、もう…勘弁して…」
「だめだ…もっと…ほら、いけ、どうだ、ほら…」
「死ぬ、しんじゃう、あ、もう、もう、だめっ…っくぅッ~~あぁぁ~~っ…!」
「俺も…いく…っ!…っああっ…うううっ…!」
はずむ息を整えながら、マヤが呟く。
「速水さんたら…もう、いつも張り切りすぎ…
そんなに激しさMAXでなくたって、あたし十分満たされてるのに。」
「それか、そこまで追い詰めなきゃ、イケないの…?」
「そんなこと…ないよ。マヤに触れられるだけでイキそうになる」
「だったら…。あまり激しすぎると、身体に良くないんじゃないかって心配になっちゃう」
「ふふ。なかなか、『死ぬ!』って口走るほど追い詰められないからな、がんばってみようかな、と。」
「何?それ…」
「マヤ、よくイク真際に、『死んじゃう』って口走るだろ。おれも『死ぬほどの快感』が来て欲しいな、とか」
「速水さんは、「死にそうに」ならない?」
「そうだな…攻めるほうだからかな。受身になれば変わるのかな」
マヤは真澄の肩に頭を預ける。
「あたしは…毎回、速水さんの胸のなかで死んで…また、蘇らされるの」
真澄の汗ばんだ胸に、指を這わせる。
「速水さんの腕の中で、息絶える瞬間を毎回思うの。ああ、幸せだ、って」
瞳を見つめる。
「そうしてまた生き返って、また、あぁ、この人と共に生きたい、って思うのよ」
「羨ましい…おれもマヤの手にかかって、死にたい」
「手にかかって、なんて、意味違って来てるから!」
「愛する人の腕の中で息絶える、ってやっぱり幸せなんだと思うよ」
「そう…そうよね。だから、阿古夜は最高に幸せだったと思うの。
愛する人の手にかかっても、その人の使命を果たさせることも出来たんだから…」
「で、ね。
あたしと速水さんみたいに、阿古夜と一真も結ばれていたんだと思うの。
だから、阿古夜は一真に刃を向けられても恐怖は無かったと思う。
その人の腕の中で息絶える悦びの感覚を知ってしまっていたから」
「だから…あの、表情なんだな?」
「そう」
「試演の時以上に本公演の時が素晴らしかったのは…」
「ふふ。速水さんのおかげ、デス」
「関係者が聞いたら赤面するな、こりゃ」
「あ、黒沼先生はニヤニヤしてました。『若旦那も若いねぇ』なんて」
「あの人には敵わんな」
「桜小路君は叱られました」
「なぜ?」
「そんな場面でコーフンしてどうするっ!って」
「…マヤ、桜小路にそんな顔見せたのか」
「演技ですようぅ。だから黒沼先生は50%でいい、って言われました」
「ばか。25%だってもったいない!」
「はは、速水さんヤキモチ焼いてるの?」
「そんな顔見られるのはおれだけにしてくれ。たのむから」
「…はい。わかりました♪」
「…おれも、マヤの中で死んでみたいな。いつかそんなふうに感じることが出来るんだろうか」
「………試してみます?今から」
「………殺す気か」
おしまい♪
やっぱりばるんの館行きの話しだったかも?
ごめんなさい。
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