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真夏のお楽しみ「からみつく」
2011-08-01 Mon 23:43
毎日毎日毎日毎日、鉄板の上で焼かれているような暑さですが
皆様お元気でいらっしゃいますかっ!!!!

船の上で「ぴと」な~~~んてくっついている二人がいると
アツくてあつくて仕方ねぇよっっ、と言ってやりたいところだけれど…
ま、それは許す・・・
石の上に7年、氷のうえに○年?座っていたマスだもの。
そのくらい、あっためてもらいなさい!

さて。

先日子ども会で250個ほど綿飴を作ったあげく、終了間近に雷雨にさらされ、
翌朝は9時集合で11時まで炎天下泥まみれのテント等片付けて
熱中症は免れたけれど、ぶっ倒れてたはね吉です。
ああ、やっと夏休み前半のイベント苦行から解放されました…

幼稚園で仕事をしていた頃は、とても忙しくなるので
「クリスマスでクルシミマス」だったのですが
母になると、「楽しい夏休み」は苦行そのもの、ですね~~~
お母さんたち~~~!お身体だいじにね~~!!がんばろうね~~~!!!
あと1ヶ月の辛抱だよ~~~!!(えっ、まだあと1ヶ月も!ぎゃぼ)

そして。

はね吉は夏のお楽しみは、「蚊取り線香のにおい」と怪談、なんです。
昔から8月に入ると「あなたの知らない世界」とかいって、怖い話、心霊現象なんかを
ワイドショーでやっていて、
稲川某様の怪談などを深夜にやっていたら録画して真昼に見たりとかしてました。
心霊写真を見て、「あっ、ココ!」なんて言ってみたり~~~

最近は心霊動画なんて簡単に検索で見られちゃうので
「特別なかんじ」が薄れちゃいました…
やっぱりね、怪談とエロ話は簡単に見られないところにあるほうが値打ちがあるってもんです。
(ってことは…拙ブログも「ばるん枠」は今より拡げてパス制ににすべきかも?!)

ってことで!

怪談とエロの華麗なる輪舞をあなたに。
「ライラの夢は夜開く」(18R)のライラ様企画の
ガラパロ@妖しいお話の素晴らしいサイトが開催中でございます。
もうご存知かもしれませんね!

『ガラパロdeミステリーナイト(仮)』略して『GdeM』!!

怪談好き…と豪語する割にはハンパな拙作品も載せていただいております。
12話にもおよぶ恐怖大作もあり…
18Rなので「あっ、いや、そんなマヤたん…」とか
ええっ、マヤたんそんな「○○○○○」なんてゆっちゃだめ!なんてことが山盛りで。
血の滴るマスの○○、とか…きゃ~~~~~~~!!!
そのへんを読んでいると、もう1作、書きたくなってしまったり…!
ぞぞぞ、ゾクゾク、となんとも刺激的な夜をお約束いたします。
この夏中開催、わりと毎日更新、という盛況ぶりで、日参したくなることまちがいなし!
どうぞお楽しみくださいね♪




2012.1.22 追記

ライラ様宅にお贈りした作品ですが、こちらにも掲載しておきます。
続きからドゾ!!





                からみつく





頭から、シャワーの水流を受ける。
少し熱めの湯を浴びて、目覚めきっていない脳に活を入れる。
手早くシャンプーをし、ボディソープで身体を洗ってシャワータイムを終了する。

自分の脛に何やら違和感がして見ると、一本の髪の毛が流れぬまま張り付いていた。

些細なことだが、朝一番にイヤな気になる。

…もういちど水栓をひねり、シャワーで流し落とす。
床に落ちてからも排水溝に追いやるようにして流す。
するり、するりと嫌がるように動き回り、最後はしがみつく様に未練たっぷりで流されて行った。

ただの一本の髪の毛に、ここまで意地になる必要もないのに、と
我ながらすぐにイライラに繋がっていく精神状態を嗤った。


会社に着くと水城君が予定確認の最後に「あ」と呼び止める。
「少々…お待ち下さい…失礼します」
肩に手を添えて…「はい、失礼いたしました。済みましたわ」と手を掃う。
「何だ?」と聞くと
「肩に髪の毛がついていましたの。…お気をつけあそばせ」
「何に気をつけるんだ?薄毛を気にするようなことは無かったと思うが」
水城くんはひとしきり笑って
「薄毛なんてまさか。かなり長い髪でしたから、女性関係にはお気をつけください、と」
「こんな時に女性を抱きしめるような無謀なことはしないよ」

世間では、結婚式の無期延期に関していろいろと噂がたっていた。
婚約者とは、あれ以来会うことが無い。門前払いをくらってそのまま何も言ってくることが無い。
聖の調べでは彼女が家族の反対に首を縦に振らないらしい。しばらく別荘に療養に出ているらしい。
先方からの正式な断りが来るまで、女性関係には保留が続いている。

朝から髪の毛一本に煩わされて重い気持ちになる。
長い髪、なんて…俺の周りには限られている。
水城君、君くらいだろう?
 



夏も盛りを過ぎ、西日の当たる時間が長くなってきた。
疲れがピークを過ぎているのだろう。
婚約解消と企業提携の停止をめぐって今までになく多忙を極めている。
正直なところ、その疲労が俺の心神をも蝕みつつあるのではないか、と思う。
会社にいる時間帯に、毎日必ず一本の長い髪の毛に煩わされるようになった。
スーツの背中に張り付いていたり
襟元からのぞいていたり
カフスにひっかかっていて、
ひきだすと袖の奥のほうからずるずると続くのには、背中に冷たい汗がにじんだ。


今まで気にも留めなかった、ひと筋の髪。
摘み取ろうとするとするりと逃げる。
やっとの思いでつまむと、次は異様に指にからみつく。
細い細いくもの糸のように、粘りを含んでそれはからみつく。
ただひと筋だけのくせに、長くながく指にからみ手を振り回しても離れていかない。
指にからみ身体に張り付いている感触は
蛇にからみつかれ少しづつ締め付けられていくような
不快と嫌悪と少しの恐怖に囚われていく。

始めからかい半分だった水城くんも、あまりに続く髪の毛に気持ち悪さを感じ始めた。
俺が気付かないうちに取ってくれることもあったが
そのうち考えられないような場所にも現れるようになった。
腕時計のバンドの内側にひっかかる。
会議を終えた時に、指にからんでいるのに気付く。
俺の首に…ぐるりと巻きついていたこともあった…

さすがの俺も水城君も、それに気付いた時には言葉を失った。
いたずらにしても…性質が悪すぎる。

何度か俺宛に剃刀やら藁人形やら送られて来た事があっても
笑って取り合わなかった俺が
ただ一本の髪の毛に恐怖をおぼえている。


「社長…少しお休みになられたほうが良いのでは…?」
「そう…だな…。振り回されて疲れたよ。今日は定時に失礼するよ」

会社の近くに構えたマンションに帰りつく。
扉を開けたとたんに蒸し暑い空気が押し寄せてくる。
長くて暗い廊下を抜けてリビングに行き、ソファに沈む。

…疲れた。

空調が効いてきた。うとうととしてきて…そのまま寝入ってしまう。
そんな時に浮かんでくるのは、決まってマヤの姿だ。
 
薄暗がりの中で、和服のマヤが背中を見せて立っている。
いつも思い出す雰囲気ではない…
「マヤ」声をかける。
マヤは肩越しにゆっくりと振り返る。
哀しく冷たい眼をしている…いつものように抱き寄せる。
抱きしめて、口付ける。
現実のマヤに抱きしめて口付けることはまだないが
夢の中で俺は何度も抱く。
今日は…唇が冷たい…
マヤの豊かな髪に、指をからませて梳く。
 
その時。

背中にまわしたマヤの指が、俺の背中に食い込んだ。
驚いて唇を離し、マヤを見ると、
そこに表情は無く…髪を梳いた俺の指に、何本もの髪の毛がからみついていた…



驚いて叫びながら眼が覚めた。
空調が効きすぎてひんやりとした暗い部屋で、俺はぐっしょりと汗をかいていた。
どうしたことだ、速水真澄。

浴室に入り、シャワーを勢い良く出した。
夢ではあるが…あれはマヤの顔ではなかった。
青白く唇だけ異様に紅く。人形のように美しいが冷ややかだった。
汗だけを流して出ようと湯を止めて排水溝を見た。

…夢で俺の指にからみついていたたくさんの髪の毛が、
排水溝で蛇のようにとぐろをまいていた…
それだけではない、俺の腹や腰、脛…あの部分にまでも
長い髪の毛が張り付いているのだ。
これまでに感じたことの無い恐怖で、俺はおかしくなった。
唸りながらシャワーをもう一度出して
張り付いてなかなか流れない髪の毛にあてる。
恐ろしくてごしごしと擦り落とす。
気持ち悪い。胃がせりあがってくる。
慌てて身体を拭い、見るのも嫌なのでタオルを排水溝に投げつけ、外に出る。

「俺は疲れてる…疲れてるだけなんだ」
 
うわ言のように呟きながら、ベッドに潜り込む。
携帯電話が鳴り響く。
俺を現実に戻してくれ。

「速水さん?…ね、速水さん、何かあったの?」
「マヤ…マヤ…怖い…たす…」

「速水さん…!速水さん…!」

マヤの声が遠くなってゆく。俺の記憶はそこで途切れた。




気が付くと翌朝になっていた。
昨日の恐怖が嘘のように思える。
恐る恐る投げつけたタオルを拾い上げると、そこには何も無かった。
携帯には何度かマヤからの着信があった。
へんな事を口走ったので、心配しているかもしれない。
ちょっと気まずいが、かけてみた。

「速水さん~~~!もう大丈夫ですかっ!!」
「ああ、なんでもないよ。へんな夢を見てうつつで電話に出てしまったらしい」
「元気なら、いいんですけど…あたしもちょっと気になることがあったので」
「なんだ?」
「…水城さんに託けておきましたから、受け取ってくださいね」

そう言ってあっさり切れた。





出社すると、水城くんがニコニコしながら包みを出してきた。
「昨日、マヤちゃんからいろいろ聞かれて…たいへんだったんですね、社長」
あきらかに笑いを噛み殺している。
包みを開けると、近隣にある、ありとあらゆる神社の御守りがどさどさと出てきた。
商売繁盛、交通安全、家内安全、学業成就…?おい、なんだ安産祈願まであるぞ!
けれど、数打ちゃあたる、なのか
単に疲労から来る幻覚だったのか、
それ以来髪の毛に煩わされることは無くなった。

どうやら、マヤにはさやかくんが声をかけてきたらしい。
彼女は霊感が強いらしく、マヤに得体の知れないモヤがからみついていたのだ、と。
生きている者の霊なのかもしれない、とも。
しかし、あの天然で鈍感な彼女には通用しなかった。

そこで…俺にとんできたのかもしれない、と。
 
「マヤに何も無いならいいけど、もし、マヤに大切なひとがいるなら今すぐ聞いてみて!」
そしてその場で俺に迷わず電話をして…さやかくんはひっくり返ったらしいが…
ただならぬ俺の様子を聞いてそのまま、さやかくんの教えどうり神社に御守りを買いに走った。

本当に、これが魔よけになるのかどうかは疑わしいが、
俺を想ってくれるその心遣いが嬉しい。
君に守ってもらっている、という気がする…

「ありがとう。全部大切にするよ」と電話をかけた。

「うふふ。あれね、ただ買って来ただけじゃないんですよ。
 ちゃんとあたしの御守りも入ってるんです」
「何が入ってるんだ?」


          「ひとつに一本、あたしの髪の毛が入ってます」









               完












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