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七夕の後悔
2011-07-07 Thu 03:13
こんばんは~~!
体調はいかがですか?
節電の時間は、朝の9時から晩8時、です。(あれ?朝8時の晩9時だっけ?)
ですから、寝るときはエアコンつけてもOK!!ってことにしませんか?
昼間、我慢してがまんして体力消耗するんですから、
せめて涼しく快適に安眠して、養生しませんか?
防犯的にも心配ですしね。
…それぞれの考え方次第ですが、やっぱり身体がしんぱい。
今日は雨で涼しいので過ごしやすいですが。

さて、12345のキリ番ゲットのcorス○○○○様(お名前公開しても差し支えなければ伏せませんけど、いかがでしょ?)からのリクエストお題です。

「夜空」「台風」「かき氷」「冷酒」で。
お題はひとつ使用でも全部でもOK!とのこと。ありがとうございます♪

それでは、続きから、どうぞ。

あ、かなり際どいです。18Rだと思います。
ばるん館じゃないですけど、お読みになる方はそれなりの覚悟でお進みください。






                
              七夕の後悔     



 「せっかく伊豆に来たのに、あいにくの天気ですねぇ」
 
マヤがトランクから来がけに購入した機械の箱をとりだして、自分の荷物も一緒に持った。
真澄がマヤの荷物を手に取りながらトランクを閉める。

 「まあ、暫くは大丈夫だろう。まだ九州あたりらしいから」

2ヶ月ぶりに、二人の休日が重なって、(と言うより優秀な秘書が調整してくれたお陰で)
伊豆の別荘でゆっくりと過ごすことにした。
計画した当初は、テラスで夜空を見ながら織姫と彦星の逢瀬を見守ろう、というものだったが
あいにく台風がじわじわと日本列島を北上しつつある、とアマタツが残念そうに言うのだった。

「織姫と彦星には気の毒だが、おれ達が逢う時にはなぜか雨がからんでくるからな。
 地上のカップル優先でかささぎ嬢が尽力してくれたんだ、楽しもう」

真澄はマヤの二つの荷物を片手でかかえ、マヤの肩を抱きながら別荘の玄関へと誘う。

「かささぎ嬢って、水城さんのことですか?ふふふ。七夕のキューピット、ですもんね」

荷物を置き、テラスにつながるリビングの窓を開けた。爽やかな風が入る。

「こんな気持ちのいい風なのに、台風が来るなんて信じられないですね」
「夜中になるんじゃないか?雲の流れが速くなってる。逸れたりはしてないだろう」
「詳しいんですね」
「星空も昼の空も、雨でも晴れでも、空を見るのが好きだったからな」

日の高いうちは二人で砂浜を散策したり、軽食を一緒に作って楽しくすごした。
薄暗くなる頃に、空は黒い雲に覆われだした。

「あーあ、やっぱり今年は遭えないんですね~織姫と彦星」
マヤはまるで自分の事のように、残念そうにつぶやく。
「せっかく、テラスで星を見ながら夕食を、って楽しみにしてたのに」
「雨が降り出すまではテラスで食べるくらいはできるだろう?大丈夫だよ」

真澄は自分で楽しむために、冷酒を冷やしておいた。
夕食は簡単に冷やし中華。冷酒との相性は微妙だが、なんとなく七夕っぽい、というだけの理由だ。
マヤは来がけに買ったかき氷の機械を箱から出して、イチゴシロップと器と…とはしゃいでいる。

二人で乾杯をして、食事を楽しんだ。
「ね、かき氷に冷酒注いで飲んだらおいしいのかな」
「ん~、クラッシュ・アイスに冷えたシャンパンを注いで飲むのが好き、って人がいるくらいだからな。
試してみてもいいんじゃないか?」
「やってみよう!」

マヤは真新しいクマの形のかき氷機に氷を入れて、冷酒のグラスにこんもりと雪の山を作った。
「アイスクリーム・メーカーに冷酒入れて、日本酒シャーベットっていうレシピも見たことあるんです」
マヤはとくとくと冷酒を注ぎ、みぞれのようにした。
「どうだ?」
「う~~~~~~~ん…速水さん飲んでみて」

「・・・おれはただの冷酒のほうがいいが、マヤには少し氷で薄まったほうがいいだろ?」
「ん~~~実際味がどうか、なんてわからないから、あたしにはいいのかも、ですよね」

ポツリ、と雨粒がマヤの頬に当たった。

「あっ、速水さんとうとう降ってきたみたい!」
「案外早かったな。続きは部屋で。急ごう」
小さなテーブルと食器類を運び入れ、食事の続きをした。
終わる頃には、そうとうな雨量になった。

「こんな大雨だと、思い出しますね」
「?」
「ふたりの、雨の歴史」
「家出娘を迎えに行った、あれか?」
「もっと前もあります。始めての、演劇コンクールの」
「ジーナの青い壷か。あの頃から、雨だったのか」
「不思議ですよね。ふたりともびしょ濡れになって」

窓際で雨がふるのを見つめるマヤ。真澄はその傍らに立って、後ろから肩を抱いた。

「どんなに土砂降りだろうと、おれはマヤを探しに行く。
そうでなきゃ、道路が封鎖されるなか、芝居を観に行ったりしないよ」
「雨月会館に泊まってくれたら良かったのに。
そしたらもっと早く、速水さんの真心がわかったかもしれないのに」
「裸みたいな衣装のマヤを見たら、平静でいられなかったんでね」
「…それってかなりえっちな発言ですよ」

耳たぶを、甘噛みする。
抱きすくめる腕を、少しづつ下にずらしていく。

「社務所の夜は辛かった。マヤの気持ちを知っていれば…縛るものが何もなければ…」

雨粒が窓ガラスを叩く。真澄の手の平が、マヤの二つの胸をすくいあげる。
首筋に唇を這わせて、耳の穴を舌でくすぐる。

「あたし…あの時、速水さんのものになってしまいたかった」
「マヤ…」
「速水さんが好き、って気が付いたのがその時だったけど
自分から温めてほしい、なんて大胆なこと言っちゃったし…」
「おれが…自分の気持ちに素直になるのが遅過ぎたんだ…マヤが欲しくてたまらなかったのに」
「あの時結ばれていたら…どうなっていたんだろうな、おれ達」

真澄はマヤの衣服を緩め、隙間から手をしのばせていく。
マヤの呼吸が荒くなっていく。
雨の勢いはどんどんと強くなり、風も出てきた。
窓に吹きつける雨風の悲鳴のような、マヤの喘ぎ声が真澄を刺激した。
遠くに海の荒波が岸壁に叩きつける音も聞こえる。
荒れる自然の只中にいて、二人は離れることなくお互いを貪りあった。
あの、切ない夜に抑えてしまった激情を取り戻すかのように
二人はお互いを与えあった。
あれから年月が経って、肌を合わせるようになっても
あの切なさを思い出すたび、二人は燃えるように求めあった。

あいしてる。あいしている。
ふたりで悦びに揺れているなら、この雨風に打たれながらだって構わない。
空で出逢えなかった恋人たちに、見せ付けてやりたい。
雨が降ろうが嵐になろうが、おれ達は結ばれる。

真澄は突然にマヤを離し、抱き上げ、雨風の叩きつけるテラスに出る。
慌ててしがみつくマヤをデッキチェアに押し付け、再びひとつになる。

雨が降ろうが嵐になろうが…おれ達は結ばれる。
真澄の背中を、激しく雨が打つ。
髪を濡らし、滴っても夢中で貪りあう。
突風がデッキチェアをあおりそうになって、マヤが恐れて声を上げたその瞬間
ふたりの間に稲妻のような快感がめぐり…同時に果てたのだった。






「もう…信じらんない」
浴槽にふたりでたゆたいながら、マヤは呆れている。
「いくら7月でも、雨風の中まっぱでいたら死にますよ!凍死、ですよ!
しかもあの状態で死んだら末代までの恥さらし、ですよっ」

「うん…やっぱり思っていたよりも雨って冷たいって初めて知った。
腰がイタイ。再起不能…」

「ほんとにバカです。織姫と彦星に見せ付けてやるぅ、なんて。エロバカ!」

「ううう。反省してます…」


社務所での後悔を思うと、いつもタガが外れてしまう、真澄なのであった…












      
     うわあああああああっ、変態っ!!!


・・・cor○○○○○様・・・・ごめんなしゃい・・・・
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2011-07-07 Thu 22:42 | | #[ 内容変更]
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2011-07-08 Fri 07:55 | | #[ 内容変更]
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