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夏屋台
2011-08-08 Mon 01:19
お暑うございます~~
今日は我慢できずにクーラー起動してしまいました…ゴメン

先日の「ゲリラリクエスト」に応募たくさんいただいて…
ほんとにありがとうございました!

一応のところ「先着3名様」との区切りにさせていただいたのですが、
その後もたくさんの方が「妄想のタネ」を蒔いていってくださってるので、
今後発芽して大樹に育ちそうです(イヤイヤ、自分でゆってしまった。どしてもSSにしか育たないの涙)

今回は(きっとこの企画?続きます。不定期に)

Corスコルピィ様より「麦わら帽子
たな様より「大都芸能
かおりゃん様より「屋台

をいただいて、お話にしました。



では、続きからどうぞ。

                夏屋台



大都芸能社の正面玄関を入ると、3階まで吹き抜けになっている広いエントランスがある。
一会社にしては広々とした空間は大理石と大きな壁画で装飾された贅沢な作りで
早朝から深夜近くまであらゆる人が行き来している。
タレントとマネージャーであったり、CM撮影のスタッフであったり、着ぐるみであったり。

しかし、この重厚なエントランスが、
今日は親しみのある風景に一変した。

吹き抜けの中を斜めに渡された、提灯。
天井から吊るされた七夕飾り。
普段の照明は消されて、縁日の白熱灯のような淡いオレンジ色の光が灯っていた。

そう、3日間の「大都芸能夏祭り」である。
ソースや駄菓子の香りと射的やヨーヨー釣りなどの屋台が立ち並ぶ。


若い社員2人が外回りから帰社し、夏祭り会場にやってくる。

「しっかし、ほんとにやっちまったな~、縁日。」
「社長が出した企画なんだろ?始め聞いた時はいよいよ壊れたか、と思ったな」
「それは言い過ぎだろ。確かにぶっ飛んでるけどな~今までが今までだったから」

「あの婚約解消と提携の縮小…とばっちりが山盛りきたもんなぁ」
「こういうことするんなら、給料で還元してくれ、っつの。な、金魚すくいまであるぜ」
「お~~~、俺得意だった。勝負しねえか?」
「いいねぇ」

金魚すくいの屋台には、麦わら帽子を被って黒のサングラスをかけた無精ひげの男が座っている。

「お兄ちゃん、いくら?」

店番の男は黙って後ろの看板を指差した。

『社のIDカード提示で無料。5匹につき1匹差し上げます。生き物が困る場合は、たこ焼き券』

「へぇ、福利厚生ってホントなんだな。」
「でも、社員がみんなコレを喜んでするとは限らないからな。社長も損がないように考えてるって」
「「ころんでも、ただでは起きない、速水真澄、だからな」」

ようやく収束しつつある騒動の際、
社長の奮闘振りを社内報に掲載されて流行語になった川柳を諳んじた。
このために社員は一致団結をして難関を乗り越えてきた。
それというのも、この騒動が始まってからの速水社長は今までの速水真澄ではなくなっていたから、だった。

どこか人間味を感じる。
厳しい言葉のなかに、わかりにくいが優しさがこもる。
冷たいだけの氷の表情ばかりでなく・・・
目尻にきゅっ、と寄る笑い皺に、男性社員までがときめくようになった。

「この企画だってな、あの堅物社長が!!縁日!!屋台!!ってまさかだったよな」
「なんかいい思い出でもあるんじゃないの~~~?初恋の人と廻ったとかさ」
「元婚約者じゃなさそうだしな」
「ああ見えてロマンチストなのかね、シャチョー」
「恋人には甘えちゃってるのかね」
「おい、まさか今いるのか?」
「お前知らないの?!水城女史と出来てるってはなし」
「ははぁ、な~~~るほどね」

金魚が、ぴしゃん、と跳ねた。

「俺今20匹いったぞ」
「うえっ、俺5匹だぞ」

『どうする?』店番の男が声をかける。
「ああ、まだ仕事残ってるから、たこ焼き券がいいや」
『おけ』

男がたこ焼き券を差し出す。
タンクトップに半パン、草履履き。麦わら帽子とグラサン。
形のいい腕の筋肉のところに、タトゥーがある。

「MAYA LOVE 1000%」

「お兄さん、北島マヤちゃんのファン?」

男は黙って親指を立てた。

「お兄さん、ガタイ良いしよく見りゃ男前そうだし、タレントでもイケそうだよ?
この世界でも十分通用するよ。マヤちゃんにだって紹介してあげられるから、どう?」

「あ、おい、噂をすれば…マヤちゃんが来たぜ!今日は打ち合わせかなんかかな?」
「よかったな、兄さん。知り合えるキッカケができた」

マヤは屋台のキラキラした雰囲気を楽しんでいた。
りんご飴や綿飴を横目で見ながら、一直線に金魚すくいの屋台にむかってくる


「わわ、本物…やっぱりかわいいな」


「こんにちは!IDカード忘れちゃったんですけど…」

男は黙って、両手でバッテン、をする。

「ええええっ、ケチ!!!いいじゃないですか!」

社員二人は唖然としてみていた。

「あのね、あたしがわからないとでも思ってるんですかっ?」

「なんですかっ、ヒゲまで生やして!このタトゥー!!まさか・・・!」




『やっぱりかなわないな。シールだよ、シール』

金魚すくいの店番の男は、少しサングラスをずらして、
琥珀色の瞳の目元にキュッ、と笑い皺をよせた。


二人の社員は、水槽のなかの金魚よろしく、パクパクしたまんまだった。







         おしまい。




「麦わら帽子」の言葉をもらった時に、
つばのひろ~い、田舎のおじいちゃんが被っていそうな麦わら帽子を
真澄さんが被ってみたらカワイイかも、と思ってしまったのです。

最後まで正体をわからせないように…と思って筆を進めていましたが…
察しのいい方は早くにお気づきだったかも?
どのへんで気付かれたかしら…

子どもの頃、「掃除のおばさんの子ども」かと思われていながら、
大人のオモテとウラの顔を知っていった真澄くん。
社員の本音…今後どのように生かすのでしょうか?

マイナスイメージはない、はね吉です。


もっと掘り下げて、時間をかけて作りたかった、かも?

お題をくださったCorスコルピィ様、たな様、かおりゃん様、
ほんとにありがとうございました♪



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2011-08-08 Mon 03:58 | | #[ 内容変更]
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2011-08-08 Mon 21:48 | | #[ 内容変更]
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2011-08-09 Tue 13:26 | | #[ 内容変更]
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