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希望の灯り
2011-12-07 Wed 02:49
こんばんは~^^

お越し下さって、ありがとうございます♪

お返事がまだお返ししきれていないのですが、
お話をUPします。お返事まだの方、ごめんなさいデス><

多分、これこそ今、書かなきゃいけないお話。


はじめに、少しだけおことわりを。


…ちょっとナイーブな内容になります。
はね吉の浅いアタマで思う事から作り出すお話なので、
お読みいただく方の中には「違うんだけどなぁ~」って残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。
もしも、「本当はこうなの!」ってアピールされたい!ってことがありましたら、
ご感想をお寄せいただけましたら…。
理解しあって、共感できるなら、それを望みたいワタシです。

…それから、「年数」「年代」をあいまいに捉えていただけたらありがたいです。
マスマヤを絡めてお話にする場合、避けては通れないものなのですが、
「サザエさん永遠の24歳」とか
「まるこちゃんいつまでも昭和の話題」
ってかんじで
あくまでも、マスマヤは「少女漫画のキャラクターで」ま、そのへん固いこと言わずにスルーしてね~~~^^
でお願いします~~~!

…画像が多いです。4枚あります。



では、続きからどうぞ!









                   希望の灯り



 マヤの地方公演が関西であり、千秋楽は12月を迎えていた。
いつものように楽日に合わせて、真澄は大阪に出張に来ていた。
そしてお互いにつかの間、休暇をとる。

12月、神戸旧居留地から東遊園地までを美しい灯火の回廊が浮かび上がる。
「神戸ルミナリエ」だ。
ふたりでこの時期に関西に来れるのならば、一度は訪れてみたい、と思っていた。

大阪から三宮駅に降り立ち、人にたずねてみる。
「ああ、ルミナリエに行くんやったら、スタートは元町に行かなあかんよ」
「行列になっとぉから、ついて歩いて行ったらわかるわ」

少々顔がさすようなので、マヤは大きなメガネと風邪予防も兼ねてマスクをした。

「っていうより、速水さんのほうが視線が集まってますけど?」
「でかいからな。ほら、はぐれると迷子で呼び出さないといけなくなるぞ」
「手をつないで歩いてても、妹とか姪とかにしか思ってもらえないんだろうな~」

真澄のコートのポケットで、マヤの手は温かだった。
冷え込み始める時間だが、美しい街並と流れる音楽で心が浮き立ってくる。

「神戸ルミナリエって、素敵ですね~!ウキウキしてきます」
「でもな、うれしいたのしい、ってものでもないんだぞ」
「どういうことですか?」

長い長い行列をゆっくりと歩きながら、真澄はマヤにルミナリエの始まりを語った。

1995年1月17日、阪神淡路大震災がおこった。
6000人を超す人々が亡くなり、街が、家が、道が崩壊した。
世界中から支援の手が差し伸べられた。

その年の12月、震災犠牲者の鎮魂の意を込めるとともに、
復興・再生への希望と夢を託して開催され、以来続けられている。

「100万ドルの夜景、と言われた神戸の街が、震災の時には暗闇になってしまった。
犠牲者への祈りの灯火と、希望を見出す光は、被災者の心を慰め、励ましたんだ」
「…そんな意味があったんですね…」

合唱のあと鐘の音が鳴り響き、ガレリア、スパリエーラなどに一斉に灯がともる。



逕サ蜒・205_convert_20111204143934
                        〈2011年作品〉

その瞬間、おおお!というどよめきが起こる。

「すご…い…。キレ……イ…!!」 言葉が出なかった。
なぜか、涙が出てくる。マヤは大きな瞳にいっぱい涙をためていた。
涙の粒に、回廊の灯火が映り込んでいる。

少しづつ歩みを進めて、ガレリアをくぐり抜けて行く。
マヤはまるで魂を光に預けてしまったようになっている。
少し話しただけで、震災犠牲者や被災者の想いに同調してしまったのかもしれない。

ガレリアを抜けると、東遊園地に導かれる。
そこでひときわ大きい、スパリエーラに向かう。


逕サ蜒・208_convert_20111204144308


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円形劇場のように光の壁に取り囲まれて、マヤは立っているのがやっと、だった。
初めてプラネタリウムに連れて行った、あの時と同じだな、と真澄は思った。
恋人と。家族で。友人と。
それぞれの人達が、光の中で写真を撮りあっている。
時々、涙をぬぐっている人を見かける。
見つめていると、初老の婦人は話しかけてきた。

「美しいですね、やっと来れるようになりましたよ」
「何故、泣かれていたんですか?不躾な事を聞いてごめんなさい」
「震災で主人を亡くしましてね。今年、やっと会場に来ることが出来たんです。
それまでは思い出すし・・・つらくなるしで。いつまでも引き摺って…恥ずかしいですけど」

「恥ずかしいなんて、そんな」

「それはそれは…たいへんやったんですよ…ホンマにね…
 東北でもあんなに酷い震災がおきて…それに比べたら、たいしたこと無い、とも思うんやけど…」

「でもね…家族を失って、家を失って、あれとこれと比べたら・・・なんてね、出来ないんですわ…」

「いつまでたっても、たいへんやったことは忘れられません…温かい炊き出しの味もね…
 これからは…支える方にもまわれたら、と思って。それで来ようかな、って初めて」

マヤは婦人の話に、同じように泣きながら頷いている。

「そやわ…あれ、見に行かはったらいいわ。目立たない所にあるけど、忘れんようにね」


逕サ蜒・214_convert_20111204144509


広い東遊園地には、いくつもの光のオブジェが建っているが、それは暗闇の中、ひっそりと立っていた。
2000年の震災記念日に建立されたモニュメントだった。
「1.17 希望の灯り」とある。
被災10市10町を巡ってきた震災からの種火と47都道府県から寄せられた祈りの種火が合わさって、
希望の灯りとして灯り続けている。
時々、この灯火に手を合わせている人がいる。

「災禍があった土地には・・・こうした灯火があるものだな」
「きっと…祈りを込めているのね」
「そうだな。忘れないために。語り継ぐために」

モニュメントに、言葉が刻まれていた。
マヤが朗読をする。

1.17 希望の灯り

1995年 1月17日 午前5時46分
阪神淡路大震災

震災が奪ったもの
命 仕事 団欒 街並 思い出

たった1秒先が予知出来ない人間の限界…

震災が残してくれたもの
やさしさ 思いやり 絆 仲間

この灯りは
奪われた 
すべてのいのちと
生き残った
わたしたちの思い出
むすびつなぐ



いつの間にか、小さな集まりができていた。
そばで朗読に耳を傾けていた人達だった。
小さな拍手がおこり、マヤに握手を求めるひともいた。

「この文章は…阪神淡路大震災だけじゃない…
すべての災害の前にうなだれている人達のための言葉だと思うの…」

「いつか街は蘇り、災禍を知らない人が増えていく。
 しかし、忘れてはいけないんだ。
 絆を結ぶことを。助け合うことを。語り継ぐことを」

真澄はマヤの手を握りしめた。マヤはその上に、手を重ねる。

「あたし…何かお手伝いできること、ないかな…」
「そうだな…被災した人達のために…東北で何か催しを考えてみよう」
「あ!まず一番に出来ること、みつけた!」

神戸ルミナリエを、来年も継続開催出来るようにと一人100円募金を募っていた。
東日本大震災にむけての募金も募っている。

マヤは真面目に100円を箱に入れた。
真澄が横から、ばさばさ、と札をねじこんだ。
「はっ、速水さん!こんなに…!」
「心配するな、君にあげるわけじゃない」
そう言って、
「懐かしいな」とウインクした。

真夏の夜の夢…そんな小さなことも、彼は覚えてくれている。
マヤはそんな真澄が大好きだ…!と思う。

「さて、君の好きそうな美味しそうな屋台も並んでいるな」
「ううううう」
「どうした?」
「なんか…せっかくの厳かな気持ちがね…食欲にかき消されるのが残念な気がして」
「??」
「がっ…我慢…しても…いいかな…っっ…って…」

プッ。

「わっ・・・笑わなくたっていいでしょっ!」
「無理はしないほうがいいぞ」
「ムッ…無理なんてしてないもんっ!!」

「じゃ、真っ直ぐ今夜の宿に行くか」
「はいっ!見たら買いたくなりますから!すぐ離れましょう、ここ…!」

「ホントに何も食べないのか?」
「ストイックな気持ちなんです!」

「あー、じゃ、キャンセルか~。残念だ…」
「え?」

「今夜はホテルオークラに泊まる。メインダイニングの『エメラルド』予約していたんだが」
「!!」

「世界最高級…神戸ビーフ…あぁ・・・マヤに食べさせてやりたかったが…残念だ」

「神戸…ビーフ…」

「俺もなかなか口にする機会がなかったからな~
楽しみにしていたんだが…」

「あ~~~~~~~~~~ん、速水さん~~~~~!
 イクぅ~~~~~~~~!神戸ビーフはイクぅ~~~~!」

「ばっ、ばかっ、そんな大きい声で…!!」


結局食欲には勝てないマヤだったが、
真澄とマヤの心に灯った「希望の灯り」は
被災地へのチャリティなどに心を傾けるきっかけになっていった。





・・・自然災害によって、多くの方々が家や家族を失い、
いまも悲しみと不安の只中にいる方もおられることでしょう。
嘆きのなかにおられる方のうえに、
少しでも慰めがありますように。
たすけが届きますように。
健康が、守られますように。

一人ひとりが震災を通して感じた、味わった苦労や経験を
次の世も語り継いでゆく大切な役割を果たせますように。

震災ばかりでなく…
戦争の悲劇…原爆の悲劇についても語り継ぐ私たちでありますように。

幸せとは。
いのちとは。
手を繋ぐ、とは。

その意味を深く考え、共感しあい、追及していく私たちでありますように。

願わくは…

願わくは。




              おしまい。





すみません…なんか、きばっちゃいましたぁ……テレッ。


では、今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように…^^



(写真ははね吉が撮りました。無断転載はご遠慮くださいね)



・・・神戸ルミナリエは12日までの開催です!
速水さんみたいに…とは言いませんが、
お越しの際には募金のご協力、ぜひぜひお願いしますね☆




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2011-12-07 Wed 09:40 | | #[ 内容変更]
Re: ゆ○こ様!
心がほっこりするようなメッセ、ありがとございました!

>心があり、絆を結び、繋がり助け合って生きて行く・・・
それが無限に広がって行く。それが人間が人間である証だと思います。

そうですね!何故人は、一人で生まれるのか?
人生、「出会い」に大きな目的と価値があることを知るため、ではないでしょうか?
さて、何故ひとは、一人で死んでいくのか?
…それは、これから考えてゆく課題ですね…

ひとりひとり、どこかで世界につながっている。
何かの、誰かの役にたちたい、と思いながら。
あなたのためのわたし、
わたしのためのあなた、
なんですね。

出会って下さって、ありがとうございます!!

ひろくひろ~く、捉えて考えて下さって、嬉しかったです!!
主旨ズレなんてとんでもない!

えへへ、ときどき真面目なことも考える、はね吉です^^
あまりにエロに傾倒してたので反動が~~^^

ありがとございました♪

2011-12-08 Thu 00:29 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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