昨日のほっこり版（もっこり、ではない）に続くMASUMI続・秋バージョン、です。

思い切り梅雨空の下、ハロウィンの話？

常に行き当たりばったりのはね吉ブログです。お許しください。
ぴったりの季節まで…待てないのっ!!



続きはこちらから。

　 　Trick 　or 　 treat ?


今回のCM撮りは、なんとマヤにはナイショ、ということで進められるらしい。
今までずっと外されてきた俺が、今度は言い方が悪いが、マヤを「はめる側」にまわる。

なんだか、とてもウキウキする。マヤには何も恨みはないが、｢昔いたずらっ子」の本性というものが騒いでいる。
マヤをいじめたいとか、懲らしめたいとか、そういうヘンな加虐趣味はあるはずもないが
大きな目をまんまるにして「うわっ！！」とか「きゃっ！」とか言う姿を見たい。
多分、メチャかわいい、と思う。

いや、それよりも。

ずっとずっと外されてるのはもういい加減ムカッ腹が立っていた、というのが本音だ。

今回のテーマは「ハロウィン」だ。
いわゆる｢仮装大会」だ。…ちょっと違うのか？ま、いい。

マヤもとりあえずはユニ社のCM撮りでハロウィンで、ということは知ってるらしいが、
お互いの仮装の内容はナイショ、ということらしい。

俺のスケジュールは、何故か当日まで1週間、休む間も与えられないほどタイトだった。
マヤに探りを入れられるような余裕さえ無かった。
だから当日、マヤよりも3時間以上早く現場入りを命じられたときはガックリしていた。

「すみません速水社長。今回社長には『特殊メイク』をしていただきます。」

ははぁん、さては怪物系だな。オペラ座の怪人か。美女と野獣の、ビーストか。
結構顔出し多いが、ドラキュラ伯爵か、エリザベートのトート、なんかもいいぞ。
それで3時間も早くスタジオ入りなのか。

始めに、シャンプー台に座り、念入りに洗われる。

「髪、かなり伸びましたね。社長いったい何歳でらっしゃるのか解らなくなって来ましたよ。」

そうそう、若い彼女を持つとたいへんなんだよ。若くなきゃ、と思うしね。

「なんだかお疲れみたいですね」
「ああ、この1週間、まともに眠っていないな」
「まぁ、たいへん。じゃ、眠っていただいても結構ですからね」
「ああ、君のシャンプーは気持ちいいから、つい寝てしまいそうだな」
「ま」

「じゃ、シャンプーの後は特殊メイク前のリラックスと肌の保護のために
マッサージとトリートメントもして差し上げますね。
ゆっくりくつろいでお休みいただいている間に
特殊メイクも済んじゃいますよ、きっと」

リラックスのために、珍しくハーブティーなんかも飲まされた。
薄暗くして、東洋の音楽なんか流して、アロマなんかも焚いてある…
…特殊メイクって…
　　　…そんなにたいそうにリラックスしないと………
　　　　　　　　…………いけないもの……………

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　………………なの……か？……・・・・・・・

---

「社長・・・寝ました？」
「OK.もうほっぺた引っぱっても起きない…」
「またこんな騙すようなことしたら、社長出てくれなくなりますよ」
「大丈夫、この人は結果オーライな所もあるから。この企画には自信がある」
「しかし効きますね、このハーブ。」
「いや、秘書殿に頼んで1週間馬車馬のように働いて戴いたからね、疲れもあったんだよ」
「じゃ、タケコさん呼んで。サッサと目覚める前に済ませなきゃ」

---

「だいたいね、男のクセにこんなに体毛が薄くて肌理が細かいなんてね、
それだけで罪なのよ。それにどう、この睫毛。憎たらしいったらないわよ。マッチ3本、楽に乗るのよ。
ビューラーで上げたらいったいどうなっちゃうのよ～！！
女だって太刀打ちできないわよ～こんな美形!!
そしたらあたし達なんて死になさい、ってことになるじゃない。
やってられないわよ～。別にあたしたちみたいに特殊メイクの必要無い美形は
普通のメイクさんで良いっていってるじゃないのよもう。
でもまぁ、こんな美形にベタベタ触ることなんてできないじゃない？
あたし達って結構シャイに出来てるからぁ～～」

・・・なんだかデラックスな声ががんがん耳元で響く。
？なんだ？・・・そう、メイクの。特殊メイクの途中…。…って？

ぱち、と目が覚めた。
「あら、お目覚め。」

目の前の鏡の中には…
　　プラチナブロンドの…美形の…


・・・・・オンナ、がいた。


「・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！！」

---

片や、マヤの撮影準備。
赤いリボンを首に巻いて、赤いミニスカートを履き
長いシッポをつけた黒猫に扮している。
少し大きめの猫耳と、頬に3本ずつつけたヒゲが愛らしい。

「速水さんの仮装って、本番まで見せてもらえないんですか？」
「はい。重要なのは、初めてその姿を見たときのマヤさんのビックリする表情ですから。
しっかり、でも素のリアクションでお願いしますね。」
「せめてどんな扮装なのか教えて下さいよ～」
「だめです。トップ・シークレットですから！」
「ちぇ。あ～、でも、楽しみ！
速水さんだったらぁ、ファントムとか～、トートとか～、ビーストとかも？
ドラキュラ伯爵なんかも素敵かも♪」

「では、そろそろ速水社長準備出来ましたから、撮影に入ります。
マヤさん、スタンバイお願いします。」

「はーい」

---

　　　ユニオン・クロゼットCM　ハロウィン・パーティー編。

街を歩く、赤いハイヒール。
すれ違う人が、ホウ、とため息をつきつつ見送る。
場面変わってつけ睫毛をつける瞳。
ばら色のルージュをひく、くちびる。

カツ、カツ、カツ、と颯爽と歩くハイヒール。風になびくスカート。
BGMは、「プリティ・ウーマン」。
一軒の家の玄関にたどりつき、ピンポン、と鳴らして部屋に滑り込む。

ガチャ、とドアをあけると可愛い黒猫に扮した彼女が振り向く。

そして、彼女は固まって・・・
くちに咥えていた棒つきキャンディをポロ、と落として呆然とする。

ドアに立つ、美女。
心なしか、憮然とした表情……（しっかり顔出し。しかしブルーのカラコン入り。）

そのうち、ふわっ、と柔らかな笑顔になる。


ロゴ。

「あらゆるサイズ、取り揃えております」


猫の彼女を姫ダッコする、美女の彼。

♪プリティ・ウーマン♪の締めの音楽で

「ユニオン・クロゼット」のロゴ。








「お疲れ様でした～～～～！」
「ありがとうございました、速水社長！」
「また大ヒット間違い無しです！」

「あのな。」

一同、ビリッ!!と直立不動になる。

「いいかげん、俺で遊ぶのは止めてくれ～～～～～～っ!!」

---

放送日、騒然となったのは当たり前のことである。
今までの流れからいって、あの美女は間違いなく謎のモデルMであるだろう。
しかし、あの美しさといったら。


マヤのもとに、久し振りに姫川亜弓からの電話が入った。

「あ、どうしたんですか？亜弓さん。久し振り、ですね～」
「マヤ、単刀直入に聞くわ！あのモデルさんって誰なの？！」
「いくら親友の亜弓さんだからって、企業秘密ですから、だめです！」
「あの憮然とした表情からの笑顔！どこかで見たと思わない？」
「う。」
「わたし、わかったの！」
「えっ」
「オリゲルドよ。わたしのオリゲルドのカーテンコールの表情！」
「あっ…そうそう。そうです！そうして誉めたら速水さん喜んでたわ。
　亜弓くんに並んだなら女装した甲斐もあるかな、なんて」

「ふふふふ。やっぱりマヤは変わってないわね。私スキよ。あなたのそんなところ。」

「ああっ」
「大丈夫、わたしがまわりに言うはずないじゃない。速水さんに恨まれるシュミもないし。
　ただスッキリしたかっただけだから。」
「・・・・そうですか……」
「あ、パパとママには言うかも。パパから社長にオファーが行ったら、絶対出てもらうから、あきらめてね。」
「そんな～～」
「ホントに、大丈夫だから！じゃ、またね。」
「はいぃ～～～よろしくです～～～」



そして、亜弓が正体を知ったことから始まる騒動？は…

また、もうしばらく経ってからのことである。







　　　　　　　　　おしまい。



・・・いかがでしたかっ？！

は～～～～～、ますみさんの女装！！

ここには書きませんでしたが、「マヤがだんだんアルディスになっていく感覚が解ったような気がするよ」
って言ってました。
順応マス、というのでしょうか。ホントは素直ないい子なのです！

よし○む様！いかがでしたか？
切なさの微塵も無い、どっちらけ感いっぱいの。
またご感想いただけましたら。
亜弓さん、出てきてくれましたね!!うれしい！！
で、青木麗さんは「まけた…」って言ってたそうです。

拍手・コメントいっぱいいただいているのですが、明日お返事いたしますね。
ありがとうございました！

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