*まだ正体が秘密なMASUMI、です。
神田川 187センチの身長の自分が、ハイヒールを履くことになるとは思っていなかった。
ブルーのカラーコンタクトを入れたり、ブロンドのロングのウィッグをつけたり
ストッキングを履き(ハイヒールと共に特注…プレゼントされた。どうしろというのだ!)
スカートを履いたりするなんて…。
「速水真澄」になって仕事に必要なことは全て取り組んできたし、
不必要なことは無視して通ってきた。
「女装」なんて不必要の最たる事案だ…。
しばらく、俺は自分の在り方について凹んでいた。
今年最も話題になった人物、芸能編…に「謎のモデル・Mr.M 」が出ていた。
大都芸能の所属タレント…マヤさえも差し置いての堂々1位に輝いている。
俺の…社長としての努力っていったいなんだったんだ、とさえ思う…
俺の落ち込みが伝わったのか、どうやら新CMの話は聞こえてこない。
マヤといっしょなら出てやってもいいが、「マトモな」格好で、と念押ししてあるし。
そうしているうちに、水城君からCM撮影の予定が入ったことを告げられる。
今回は予想したとおり、クリスマスバージョンだそうな。
クリスマスのCMというと暖かそうな暖炉や煌びやかなクリスマスツリー、のイメージだが、
マヤはまるで「白百合荘時代」の服装そのものだった。
そして、俺は今回も変装を通り越して仮装…
白くて長い付け髭をつける。しかもパーティーグッズの域のチープなものだった。
なんだか鼻の下がむずがゆい。
そして、サンタの帽子を目深に被り、赤と白のサンタの衣装、白い大きな袋と…
洗面器。
なんだ?この洗面器って。
ユニオン・クロゼットCM 「ちいさなクリスマス」
BGMに 「神田川」
空気が冴えわたる冬。
白い息を手に吹きかけて擦りあわす少女。
手元の洗面器。石鹸箱。
銭湯前で彼の出てくるのを待っている。
その場で小さく駆け足足踏みをする。
背後に背の高いサンタクロース。ボソ、と彼女に暖かそうな帽子を被せる。
驚いて振り向くと、サンタは白い袋から次々とマフラー、手袋、ダウンジャケット、靴下…と出してきて
彼女に着せていく。みるみる彼女は着膨れの雪だるまのようになる。
そして洗面器を片手に
「メリークリスマス。いつもゴメン」
…と抱きしめる。
はにかんで微笑む彼女。
~何も、怖くなかった。
ただ、あなたの優しさが怖かった~
彼女。
「…あったかい… でもやっぱりもっと早く出てきて!」
ガクッ、とうなだれる彼。
ユニオン・クロゼットのロゴ。
「なんだか懐かしかったです~。銭湯通い、つい最近までしてたと思うのになぁ」
「俺も久し振りに入りたかったけどな、銭湯」
「えっっっ!!速水さん、銭湯なんて縁が無かったでしょっ?!」
「速水家に母が勤めに入るまでは女湯に入っていたぞ」
「女湯…」
「今ヘンな想像したろ!!」
「ふふふふふふ」
「こら、変な目で笑うな!」
「でも、まさかタキシードでシャンパン片手にクリスマスパーティーしてる速水さんが
銭湯で洗面器かかえて出てくるなんて誰も思わないでしょうね」
「君はすっかり馴染んでいたけどな」
「そっちのほうが歴史が長いですから!!」
「あのまま…ふたりはいっしょにアパートに帰って…」
「小さなケーキでも食べるのかな~」
「いいや」
「多分、彼女をもう一度ハダカにしてしまって、『冷たいね』って抱くんだろ」
「もーーーーー、速水さんたらエロサンタ!!」
多分…CMの彼は
それがしたいから、彼女を待たせてるんだよ。
深いな、「神田川」
おしまい。
え?あれ?ドコにクリスマスが?
影がうす~~~~い!!
えと、素敵なステキなクリスマス・プレゼントをいただいております。
はね吉、驚喜乱舞!!
皆様にもきっと楽しんでいただけるハズ!!!!!!!!!!!!!!!
近日公開!!!!!!!
それから、「クリスマス・ユニオン・クロゼット」はもう1作品ございます。
そちらもお楽しみに♪
クリスマス、に喜んでいただけたら、いいな~~~~~♪
それでは今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように…☆
- 関連記事
-