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幸せの真っ赤な…
2011-11-04 Fri 02:43
こんばんは~~~!!
連日たくさんお越し下さって、感謝感謝でございます~~!

今宵は、ばるん祭をちょっとお休みしまして(誰や!えええええ!って言うの!)
5万Hit記念リク作品をお送りします~

リクエスト下さったのは、「ROM専の○○」さまです!
(前後賞含め、でしたがお一人様だけでした)

・秋の味覚・・・栗。
・とろけるチーズ
・真っ赤なパンツ(おばあちゃん仕様)

・・・から参ります!

ROM専の方でも、こうしてリクエストをいただけるキッカケ、って嬉しいです~^^
○○様、ほんとうにありがとうございます!  あぎがご!!





では、続きからどうぞ~






                しあわせの真っ赤な…




速水邸、キッチンに続く小さなダイニングスペース。
速水邸で仕事をする者達の食堂、あるいは新妻が簡単な料理レッスンを受ける、憩いのスペース。

コックや女給頭の妙子と共に、マヤが楽しそうに作業をしていた。

真澄が賑やかな声を聞きつけて入室してきた。

「どうしたんだ?いったい」
「あ、速水さん見てください!ファンの方からいただいたんですよ~~!」

広いテーブルの上に、段ボール箱が置いてあって、中には秋の味覚、栗がたくさんはいっていた。

「丹波栗、って言うそうですよ。あの、丹波黒って黒豆みたいに名産なんだそうです」
「へぇ」
「ちゃんとね、イガに入ったままのも入れて下さってて」
「お飾りするのにも、素敵でしたわね」
妙子も嬉しそうだった。

「焼き栗、ゆで栗、やいゆえよ~。山田に灯のつく 宵の家~~~~♪」

「白秋か」

「えっ!そうなんですか?」

「君あれだけ何度も発声練習してて知らなかったのか」

「…そ…そなんだぁ」

「本当に、焼き栗にしたり、栗おこわにしたり…楽しみですわ」

「ねね、モンブラン、なんてできちゃいますか?」

「簡単なものでしたら。おまかせください」

「やったぁ♪」

マヤが手を打って大喜びしているのを、真澄は「いつまでも少女のようだな」と思う。

「しばらくは栗三昧になりそうだな」と真澄。

「くりざんまい…」 マヤがかあっ、と赤面する。


「…マヤ……っ…!」

前言撤回、と白目になった真澄だった。


こんなバカップルを目の当たりにして一番困るのは使用人たちなのだ…









それからしばらく、本当に栗三昧になった速水邸の食卓。
デザートにもモンブランや渋皮煮、マロングラッセと、コックは持てる技を存分に発揮して
マヤを喜ばせた。そしてマヤも人一倍食べた。
少し傷を入れてから、落ち葉焚きの中に放りこんでおくのも、
季節感が溢れるうえにスリルがあって楽しかった。
栗がパンっ!と弾ける音がする度にマヤがキャッ!と飛び上がったり真澄に飛びついたりするのを見て、
妙子や朝倉が嬉しそうに涙を拭っている。
こんな幸せな風景を、この庭先で見ることが出来るとは。

幸せな、しあわせな秋…


焼き栗も焼き芋もお腹いっぱいに食べたマヤ。

「なんだか、夕ご飯食べられるかな~」
「君がそんなこと言うなんて、明日大雪が降るぞ」
「でもね~、今晩はとろけるチーズたっぷりの、チーズフォンデュなんですよ~」
「大好物じゃないか」
「だからね、失敗したな、と。美味しすぎるお三時は罪です!」
真澄はひとしきり笑ってから、
「一番の原因は君が食いしん坊だからだってことを忘れてないか」

「わかってますって!!」

真澄がマヤの耳元に囁く。

「晩飯までの腹ごなしに…一戦まじえるか?」
「はっ・・・・速水さんのえっち!!」
「ば、ばかっ、大きな声で言うな!!」


…バカは君たち、である…正真正銘のバカップル…妙子と朝倉は白目だった。







翌朝、マヤは胃もたれで調子が悪かった。
腹ごなしが効を奏して、大好きなチーズフォンデュもしっかり堪能したが
やはり負担をかけすぎたのか。

「ごめんなさい、妙子さん。今朝は軽めの朝食がいいです」
「それは心配ですわ。フルーツとヨーグルト…オートミールかおかゆなどがよろしいですか?」
「おかゆと…梅干で」
「かしこまりました」

英介が食堂に入ってきた。
「どうしたんだ、マヤさん。珍しいこともあるもんじゃな」
「おはようございます~~~~~~。すみません、一人だけ別メニューで~~」
「ああ、なんだか美味そうだ。わしもご相伴させてもらいたい」

英介も久々におかゆをすすった。
マヤが嫁いできてからというもの、マヤがしていることはなんでも楽しそうに見えて
つい、同じことを自分もしたくなる。
マヤとは不思議な女だ、と英介は感心していた。
その不思議な魅力は、演劇だけに現れるのではなかった、とあらためて思った。
真澄が魅かれて恋焦がれて…自らの地位を投げ打ってまで得ようとするだけのことは確かにあったのだ。
自分とて…いつまでも少女のように軽やかな気配を纏っているマヤの姿に、
瑞々しい感覚で周りの者を楽しくさせる姿に、魅せられている。

「今朝はいつもの元気がないようじゃが、いったいどうした?」
「はい~、朝からこのあたりがムカムカしてしまって~~~あ、でもだいじょぶです、ご心配には及びません~」

英介は心配した。この子に限って、食べられないなんてことがあるはずがない。
いつも真澄や自分とかわらない量を平らげ、そのうえ別腹分のデザート。
なにか悪い病気じゃあるまいな。いや、ストレスで胃を痛めたりしていないか。
いや待てよ。時期的に。

英介は、思い込んだら突っ走る性格だった…






妙子は首をかしげていた。なぜ巣鴨に行かされるのか。
英介が何故か「真っ赤なパンツを買ってきてくれ」という。
「旦那さまのでございますか?」
「いや、妙さんが履くようなもので」
「だ、旦那さま…?」
「誤解せんでくれ!人に贈りたいのでな、包んでもらって。そう、10枚くらい」
「はぁ…」
「あ、妙さんもまさかパンティ、なんて小さなものだったか?」
「旦那様っっっっ
「す、すまん。でかい、赤いかぼちゃパンツをたのむ…」






そして、その日の食堂で。
なかなか揃うことのない夕食、真澄の誕生日を祝おう、ということで一同に介していた。
マヤはまだ胸の痞えがとれないままだったが、愛する夫のためにはりきって明るい会話を心がけていた。
食後のお茶のひと時、英介が口を開いた。

「今日は真澄の誕生日ではあるが、わしからマヤさんにプレゼントがある」
「ええ!主役を差し置いてなぜあたしなんですか、オトウサン!」
「嬉しいのは真澄とて同じこと。黙って受け取っていただけますかな?」
「あ、ありがとうございます。すみません、ま…ますみさん」
    (英介の前でだけ、真澄を名前で呼んでいる)


包みを開くと、間違いなく真っ赤なおばちゃんパンツ、である。

英介以外の人間の頭に、たくさんの「??」がたっている。

「真っ赤なパンツは身体にいい、というそうじゃからな。
自分ひとりの身体じゃないんじゃから、大事にするんじゃぞ」
英介は感動していた。嫁の身体を気遣ってやる舅。夢のような理想像。

「プレゼントをいただいておいて、こんなことを言うのは気が引けますけどね」

真澄が不機嫌を隠すことなく言った。

「自分の妻に例えそんな絶対履きもしなさそうな物でも、下着を贈られて嬉しい男などいないものですよ」

みれば額に青筋が浮かんでいる。

「確かにマヤは女優ですから、自分ひとりの身体ではなくて…
それこそ国民の宝かもしれません。ただ、そんなプレッシャーから解放してやるのが家族の務めでもあります。
健康パンツなんて身につけるもので、始終マヤの気持ちを縛るなんてかわいそうじゃないですか!」

「なっ、何を言うか!わしはそんなつもりでこれを選んだのではないわ!!」

「それもまだ、マヤが喜びそうな似合うものであればまだしも…
これは何ですか!ばあさんの履くような…!まさかですよ!」

「う、うるさい!お前は何も知らんくせに!
 マヤさんがどういう状況なのかお前が一番わかってなければならんのに!
 お前の目は節穴か!!」

「えっ?あたしの状況ですか?え、えと」

「ほらごらんなさい!お父さんの勝手な思い込みですよ!何暴走してるんですか!!」


「さぁさぁさぁ、お待たせしました!バースデーケーキですよ!」
妙子が雰囲気を変えようと声を上げた。
マヤもそれを察知してわざと大きな声で喜ぶ。
「わぁぁぁ、すごーい!こんなに大きなケーキなんですか?」
「わたくし達もご相伴させていただいてよろしゅうございますよね、真澄様」

「あ…うん…。」

「わしはいらんぞ!」
「もぅ、何言ってるんですかぁオトウサン!!
 ロウソクに火を着けますよ~~!みんな集まってますか?灯りも消してね!」

 30ウン本のロウソクがそれぞれの顔を照らす。
真澄も英介も憮然としている。

マヤが指揮をして、Happy Birthday の歌を合唱した。

「真澄さんもオトウサンも、元気で楽しくすごせますように。
ここに集まっている皆さんも、元気で楽しくすごせますように。
それから…新しい小さな家族が、無事に迎えられますますように」

「えっ?」

「早く!速水さん、10秒以内に吹き消さなきゃ!」

「あ…あぁ」

ふぅぅぅぅぅぅ!

炎に照らされていた笑顔が、暗闇に消えて…

再び灯りがついたときに、真澄は驚いた表情でマヤを眺めていた。

「もう、オトウサンったら~!フライングですよ~!あたし誤魔化すのドキドキしました~」

「すまん、わしとしたことが。こんな演出とは知らなくての」

「な…な…な…」

「真澄様。もう本気で禁煙をなさいませ。そういうことでございますよ」


「マヤ……ほんとに…?」

「このオトウサンからのプレゼントは身体を冷やさないための思いやり、ですよ~。
速水さんよりも先に気付いて下さってたなんて、ちょっとカンゲキでした」

「言っておくが、妙さんよりも先に気付いておったぞ」

「まあ!たまたま当たっただけでございますよ!
 でもよろしゅうございました。
 おめでとうございます、真澄様、マヤ様、旦那様」


「マヤ……っ!!」

真澄は皆が見ている中でも構わずに、マヤを抱きしめた。

「ありがとう…ありがとう…おれ、こんな幸せな誕生日は生まれて初めてだ…」

「速水さん…っ、ちょっと、みんないるんですからっ」

「ちょっと…外してくれないか…すまん…」


「ああ、お前がそんな男だったとはな。とんだ見込み違いじゃった」

英介が朝倉に伴われて部屋を出て行く。






「ま、そうでなければ…ここまで皆に慕われなかったんじゃろうがの。
 せいぜい今のうちマヤさんに甘えておくんじゃな」










                 おしまい。







ますみさま~~~~!お誕生日、ほんとにおめでとうございました、だよ~~~!!

こんな日が、本当に来たらいいのにねっ!!!




では、このへんで~~~!
最後まで読んでくださって、ありがとございました~~!!










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2011-11-07 Mon 23:34 | | #[ 内容変更]
Re: ○○○○kkuma様
はじめまして、こんばんは!
ROM専でいらっしゃる○○○○kkuma様にメッセいただけて、ほんと嬉しいです!
「このお話を読んで、どうしても」メッセしたくなった、とは…TT
こちらこそカンゲキです~~~!

ガラカメは(シオリンがらみ以外)嫌いにはなれないキャラばかりで、
どうにか(シオリンでさえも)幸せになって欲しい!って思っているのですが
本編で叶えられないかもしれないこの思いを
手っ取り早く、自分で書いちゃえ~~ってことになりました。
パロに取り組むようになる動機ってこんなところから、なんですね~

いろんなパターンでそれぞれの幸せをかたちに出来たら、って思いますので
もし素敵な妄想など浮かばれて…おまかせいただけるなら、こそっと教えてください♪
お待ちしておりますよ~~^^

本当にメッセ、ありがとうございますた♪

2011-11-08 Tue 23:02 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
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