2ntブログ
 
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ∧top | under∨
はだかのままで 2
2012-10-21 Sun 02:06
今宵も はね吉 がらすの森
        ~したいことは山積なのさ~

 …に、お越しくださいまして、ありがとうございます!!

あぁ。
おはなしも書きたいし。
「50の質問」達にも答えたい。
お返事も書きたいし、
つぶやきたい。

…時間が足りない!!
…てか、余裕が足りない!! ううううううう。






 それでは続きから、ドゾ!!


















   はだかのままで 2





 伊豆に向かって、車はひた走る。
稽古を終えた後、疲れた身体に初対面の緊張を乗せて
後部座席のマヤは前車の赤いテールランプを眺めていた。

初舞台からもう何年経ったのだろう。
初めて胸いっぱいの花束を抱いたあの日。
花束をもらったことなんて、生まれて初めてだった。
いや、薔薇の花を自分の物として香りを独り占めしたことも無かった。

ベスの役を生きた喜び。
たくさんの拍手、スポットライト。
そして、むせかえりそうなほどの甘い香り。
自分の人生が急に色づいて見えた、あの感動は今も続いている…。

今夜、紫のバラのひとに初めて会える。
愛しいあのひとの、唯一寛げる場所だという、伊豆で。


あの大切な約束を「退屈しのぎ」と言い切った、
そのことは問わずにいよう…
今は紫のバラのひととして、会う決心をしてくれたことを喜ぼう。
感謝の気持ちを最大限に伝えられるだけでもいい。

何故、会う気持ちになってくれたのか…
その原因を知るのは怖いけれど。

身体は疲れているのに、頭は冴えている。
ひどく緊張しているはずなのに、妙に落ち着いている気もする。


運転する聖は、何も言わない。








 別荘に着いたときには、もう空に星の輝く時間になっていた。

「マヤさん…長くかかってしまってすみません。着きましたよ」
暫くうとうとしていたマヤは飛び起きた。
「す、すみません!ありがとうございます!」
「稽古のあとでお疲れなのに、申し訳なかったですね。今夜はここにお泊りいただいても大丈夫ですから」
「いえ、えと、あの…」
「もし、お帰りになりたかったら遠慮せずに仰ってください」
「…はい…ありがとうございます」

紫のバラのひと…速水さん。
あなたはあたしにどうしたいですか…?


別荘の扉を開けて、中に入る。落ち着いた内装。
所々の花瓶には、紫のバラの花が活けてある。
家主の歓迎の気持ちを感じることが出来て、マヤは嬉しかった。
廊下を抜けて大広間のドアを開ける前に、聖はマヤに言った。

「ここからはどうぞおひとりで。わたしは外の車にいますので、何かあったら電話を下さい」
「聖さん、ありがとうございます」
「思い存分…甘えていらっしゃい」
「えっ…」
「紫のバラのひとがどんな人でも、愛せると仰いましたから…」
「あ…ハイ…」
「主もきっと…それを望んでいるはずですので」

マヤはふ、と頬を赤らめた。聖はその表情を見て、主の望みが叶えられると信じ、安心した。






重い扉を開けて、広間に入る。
照明は落とされていて、部屋の中は暗かった。
目を凝らせば、海岸に面した大きな窓は開け放たれて
その先にあるテラスに背の高い男性の影が立っているのが見える。
眩しいくらいの月が正面から照らしている。
浮かび上がる人影は月明かりを背負って表情は見えない。
どうやらこちらには背をむけているらしい。

「むらさきの…バラのひと……!」

マヤは堪らず走りより、その影に抱きついた。
大きな背中。あぁ…やっぱり…速水さんだ…。



「紫のバラのひと…あたし、あなたに会いたかった…ずっと会いたかった!!
 会ってくださって…ありがとうございます!!」

両手を前に回して、しっかりとその身体を抱きしめた。

「今までどんな時もあたしを見捨てずに支えて励まして下さって…
 あたし、少しでも期待に応えたい、あなたに喜んでもらいたい一心で
 ここまでやってこれたんです」

次々に溢れてくる涙は、紫のバラのひとのシャツを濡らす。

「一人前の女優になって、あなたにお会いしたい…
 今までのご恩返しがしたいって、ずっと思い続けてきました
 あなたはあたしにとってたった一人の…誰よりも大切なひとです…」

マヤの両腕に、そっと手が添えられ、優しく握られた。

「こうして…会って下さって…本当に…嬉しい…
 ありがとう…ありがとうございま……」

嗚咽が止まらない。離したくない。
握られた腕から、するすると動いて手を握られる。

離したくない…この手を離したくない。
マヤは握った手の平から指を絡めた。
ぎゅっと握りしめると同じように握り返してくれる。
より恋の想いが強い抱擁になる…
しがみついた背中から、心臓の鼓動が伝わってくる。
だんだんと速くなっていく鼓動…
自分と同じように、恋の想いを抱いていてくれるのだろうか…?

「むらさきの…バラのひと…
 
 …はやみさん……」





「…えっ?」

「…あ。」

真澄は肩越しにマヤに振りかえった。マヤとバチッと目が合う。

「マ…  」
「ぅわぁぁぁぁぁぁ!!」
真澄が驚いてマヤの名前を呼ぼうとするより先に、
マヤの驚きの声は別荘全体を揺るがした。




別荘の外の車の中で、聖が嘆息する。
やはりマヤさんも、紫のバラのひとの正体が速水真澄とは思わなかったのだろうな…

「真澄様…ここが正念場…しっかりと想いのたけをぶつけられますように…」
そう祈るのだった。










         続く。











マヤたんの驚き、「きゃああああ」って本編なら言いそうなんですが
ウチのマヤたんは「うわぁぁぁ」です…どうちがうんだ、って?
うふん、胸の前に手をあわせて「きゃぴ」とかしないタイプ、ってことで。

あああ、ブラックやなぁ…




それでは今宵はこのへんで。

あしたもいい日でありますように…














 
関連記事
別窓 | HKD48手 | コメント:4 | ∧top | under∨
<<すきなもの | はね吉 がらすの森 R-18 | 拍手メッセのお返事です☆>>
この記事のコメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-10-21 Sun 11:08 | | #[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012-10-21 Sun 19:24 | | #[ 内容変更]
頭骨の美しさ!!わかります、わかりますとも!!
額から鼻筋の角度やぼんのくぼ、とか後頭部のハリ具合とか!
でもやっぱりスキンヘッドの美しいヒトって本当に美形ですよね~~!
クラウス先生のお姿、拝見したくなりました。
そんなわけで、映画「ファンシィ・ダンス」の禅宗修行僧のお話は
目の保養も兼ねておすすめでございます~^^
静謐さが漂うというか
ストイックな美しさですね。

ハッ!!剃髪真澄は伊豆デートでは想いを遂げられないのでは?!

やば~~~~~い!!

いまさらカツラを準備しても間に合わないか、どうする聖!!!!!


体調にもお気遣いいただいて、ありがとうございます^^

腰痛が出たら「そろそろ休めよ~~」のサインらしいです。
さすが、肉体の要、なのかもしれません…


〇さまもどうぞご自愛くださいね~~~!!
ありがとうございました☆
あなたのファンより。


2012-10-22 Mon 00:47 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
ああああ、ありがとうございますぅ!
無理をするとろくなことがないのですが、
どうやらうまい具合に「腰痛」が出ると「そろそろ休め」のサインかも、ってわかってきました。
んなもんで、そんな日はゴロゴロしてますよ^^

感動のムラバレ。出来るだけしっとりと、感動的に。
なのにどうしても笑いに走ってしまう…
ううう、バカ…><

面白かったと言っていただけて、ほんとにほっとしています~~
ありがとうございました~~

パロ以外のお楽しみ…50質!はやくしたいです、ほんとに。

秋も深まってまいりました。
どうぞ〇〇さまもお風邪にお気をつけくださいね~~



2012-10-22 Mon 00:57 | URL | はね吉 #-[ 内容変更]
∧top | under∨
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

| はね吉 がらすの森 R-18 |