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はだかのままで 12
2013-04-24 Wed 01:40


  今宵も


 はね吉 がらすの森 ~佳境にはいって参りました、やっと。~


 …にお越しくださいまして、ありがとうございます!!!





 まいど連載が長くなるときは、「起承転結」の
「起承」が迷走するんですね。
で、承承承承・・・・ってなって、転結!!って尻すぼんでしまう。

ワシの悪いクセ。(杉下〇京さん風に呟いてみてください)




それでは続きから、ドゾ!!!















  はだかのままで 12






 あいかわらず、撮影所と自宅の往復だけのような、忙しい毎日が続いていた。
マヤの出演連続ドラマは高視聴率で、その年の流行語大賞の候補にあがるほどだった。
どうやらこのクールで終わっても、スペシャル続編か映画化か、といった計画も浮上しているらしい。

紫のばらのひとの筆跡の葉書は、2~3ヶ月に一度、くらいで届いていた。
大都芸能の噂は、マヤの所までは聞こえてはこない。
水城がどうしているのか、聖は真澄と行動をともにしているのだろうか、
マヤには気になる事が山積していたが、それ以上に仕事の忙しさに追われて
詳しいひとに聞くことも出来ずにきてしまった。

紅天女を亜弓とともに継承することになってから、
忙しさに会えなくなっているひとはたくさんいる。
本公演が未定の今は、黒沼以外の関係者とも連絡を取りきれずにいる。

そういえば…桜小路くんと、ちゃんと話をしないまま、だったな…
本当なら、彼からすぐにでも返事を聞かせてくれ、と押しかけてきそうなものだったのだが
試演前の疎遠な気配があったことを考えると、彼から自分を見限ったのではないかと思う。
返事は決まっていた。
でも彼から来ないのであればもういいかな…とずるい考えさえも頭をもたげる。

忙しい…という字は、「心を亡くす」ってかくんだよなぁ…

そんなことをぼんやりと考えているうちに、眠りの淵に引き込まれてゆく毎日だった。






ロケを終えてまる一日の休みがとれるようだった。
こんなに何も予定が入っていない日は久し振りだったから、ゆっくり過ごそうと思っていたら。
演劇協会を通して、招待状が届いている、と薄紫の封筒を渡された。
無記名での招待状…スタッフが確認すると、老舗のフレンチレストランに2名の予約がとれている。
どうやら予約した人物も身元の確かな者らしいので、安全だろうとのこと。

薄紫の封筒。

マヤの中に、何か予感めいた想いがあった。
真澄になにか関わるものじゃないだろうか?
そういえば、北白川さんとの会食だって、こんなふうに招待状が届いたっておっしゃっていたじゃない。

ひょっとして、もう戻ってきてるの?
びっくりさせようとして、紫のばらも添えずに誘ってくれたんじゃないの?

マヤの心は、久し振りに小躍りした。




普段より少しおしゃれをして、レストランにむかった。
真澄が贈ってくれた、という証拠もなにも無いのに、そう決め込んで。
こんなにときめいたのは何時ぶりだったろうか・・・
思い返せば、紫のばらのひと、に伊豆に招待された以来なのではないか。

先に着いて個室に通される。
初めて北白川さんとお会いした時も、こんな気持ちで待っていた。
紫のばらのひとに、なんと言って挨拶しようか…って
ドキドキしながら考えてかんがえて…。
そうしたら、速水さんが来て、本当にびっくりしたんだった。
まさか速水さんが紫のばらのひとであるはずがないって、
やっぱり紫のばらのひとは、自分には会いたくないんだって悲しくなって。

そんな、あなたが、紫のばらのひとだったのね…。

今更ではあるけれど、真澄が自分をあんなに支えて励ましてくれていた日々を
さらにまたありがたく思い出す。
紫のばらはもう贈られてはこないけれど、
あなたへの感謝の気持ちはまだこんなに溢れてくる。
お返しも何も出来ないまま、今日を過ごしていることが歯がゆい。


そうしていると、「お連れの方がお見えになりました」と伝えられた。


そこに入室してきたのは、車椅子に乗った…


「パフェのおじさん…!!!」

マヤは思わず席を立って駆け寄った。
「あぁ…お久しぶりです!あたし…急に忙しくなってしまって、
 前にあたしのオススメのパフェのご馳走をするってお約束してからそのまんまで…
 メールも出来なくって、本当にごめんなさい!
 なのに、おじさんからお誘いいただいてしまって…
 あぁ!本当にごめんなさい!ありがとうございます!」

「いや、こちらこそ急に私が忙しくなってしまってね。
 紅天女の正式な継承のお祝いもせずに、失礼な事をしたね、マヤさん」

「やだ、正式な継承者は亜弓さんですよ、おじさん。
 あたしはオマケ、みたいなもんなんです」

その言葉を聞いて、おじさんは今までの柔和な表情から厳しい表情に変わった。

「お嬢さん。紅天女をオマケとはなんですか。
 ワシも試演は見せていただいたが、マヤさんの紅天女も決して引けをとるものではなかった。
 あなたの先生も亜弓さんも一般の観衆も、あなたの阿古夜を認めていたことに変わりはないのだよ。
 そのあなたが、そんなオマケ、などと言っているのは…
 その程度の思いで演じていた、ということだったのかね?」

その瞳を苦言と共に見つめていて、マヤはその当時のことをしっかりと思い出していた。

「おじさん…ごめんなさい。
 あたし、つい自分を卑下して言ってしまう癖が抜けなくて。
 あたしも一生懸命、命を懸けて阿古夜を演じきりました。
 もう、勝ち負けなんか関係ないって思うほど、ふたりとも紅天女になれて満足でした。
 でも、同時に阿古夜を演じるにはまだまだ実力をつけなきゃ、と思ったのも本当です」

おじさんはマヤが素直に謝るのを見て、大きな声で笑い出した。

「はっはっはっはっ、いや、マヤさんは朝ドラヒロインの大スターになっても
 全く変わっていないのだね!
 素晴らしい!本当にあんたは可愛いひとじゃった!
 いや出合って早々叱るような真似をして失礼。
 まぁ、落ち着いて、座って話をしましょう…」



マヤが着席をすると、「パフェのおじさん」はまた少し改まった表情をして、話し始めた。


「今まで、自分の名前をキチンとお知らせしておらんじゃったのでな…
 あらためて自己紹介をさせていただきますよ。
 速水英介と申します。どうぞ、よろしく」


せっかく着席したはずのマヤが、ガタン!と大きな音を立てて立ち上がった。
その衝撃で椅子が後にひっくり返った。

「はやみ…えいすけ…?」

青ざめて小さく奮えながら英介の顔を凝視しているマヤを
英介は不敵な笑みを浮かべて見つめ返した。











     つづく!!!!







 まさかの?御前登場!!!

 着地点が見えないぜ!!!いまさら!!!!








 それでは今宵はこのへんで。

 明日もいい日でありますように~~~~♪







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