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二人でお月見?
2013-10-01 Tue 00:23
 今宵も

  はね吉 がらすの森 ~リハビリ?作品です。うへ~


  …に、お越しくださいまして、ありがとうございます~


 ちょっと違うもの、に萌えていたので、
マスマヤ萌えの仕方を忘れてました…うわわわ。


先日の中秋の満月、素敵でしたね!
前に書いたもの、とかぶっちゃいますけど
やっぱりお月さま絡みはマスマヤネタになりやすい!!

と、いうわけでいってみよう・・・・・




 続きから、ドゾ!!!!











 

 



二人でお月見?









出張先で二日目を迎える為の部屋はいつも決まっているのだが、
今夜はホテル側に希望を伝えて違う部屋に変えてもらった。
多少狭くなっているようだが、無理を急に飲んでもらったのだから
有り難く、申し訳ない。

カーテンの向こうから、大きな満月が覗き込んでいる。大きく開け放って、月光を招き入れる。

先週、巨大台風が日本列島を飲み込み、今まで経験したことのないような暴風雨にみまわれたが
そんなことをすっかり忘れたかのような夜空だ。
雲ひとつない。
星さえも、満月の美しさに遠慮をして、息を殺しているかのような静かな夜空。

ルームキーをデスクに置いて、ネクタイを緩める。
取引先との関係書類を備え付けの金庫にしまったところに来訪者を告げるベルがなった。


「ルームサービスです、速水様」
「いや、まだ何も頼んではいないが」
「いえ、いつもご利用いただいているお部屋とは勝手が違いご不便をされているお詫びで
 支配人からのサービスでございます。今夜のお供に、と」

ホテルコンセルジュがわざわざ押してきたワゴンの上には、
いつもルームサービスで頼むブランデーとチーズやナッツ、カナッペなどが並べられていた。
見ると小芋田楽や団子まであり、横にススキが添えられている。

「今夜はお月見に持って来いの夜空ですね。
 ご結婚されてからでしょうか?季節の行事を大切にされるようになられたのは」

皮肉でもなく、コンセルジュが嬉しそうに言うのを面映く聞く。

「すまないね、無理勝手を言った挙句にこんなことまでしてもらって」
「いいえ、わたくしどもも速水様にお寛ぎいただけるならうれしゅうございますから」

丁寧にお辞儀をして、コンセルジュが部屋を出て行った。

簡単にシャワーを済ませて着替え、携帯を取り上げたところにちょうど着信が入る。

「もしもし。今かけようと思っていたところだよ」
「えへへ、勝ったぁ。速水さん、今日もお仕事お疲れ様でした」

「今夜はとびきり綺麗なお月様ですねぇ。いっしょにお月見出来て、よかった!」
「いや、それが危なかったんだ。このホテルで泊まるいつもの部屋は、月と反対の方角に窓があって」
「えええ!」
「それに気がついて、急遽無理を言って月の見える方角の部屋に変えてもらった」
「『金ならいくらかかっても構わん!』ってごねたんですか?」
「まさか。小さい部屋しか無いって恐縮がられたよ」

「家ではどうだった?」
「お義父さん、嬉しそうでした。朝倉さんなんか、涙ぐんでいたみたいで。
 お月見なんて、速水さんのお母さんがいらっしゃった時以来だ、って」
朝倉も歳をとったものだな…そんなに涙脆かったか?
「・・・あぁ・・・そうだな」

「みなさんはりきって準備して下さったから、あたしの出番はありませんでしたよ」
「そのほうが安心だ」
「んもう、速水さんまでっ!だからね、ちょっと余興で舞をさせていただいたの」
「ウサギのダンスでもやったのか?」

「もう、またイジワル言うのね?
お稽古つけていただいてたのが、どうにかかたちになったから、ね
 お月様の天然のライトの下で。あたしもちょっとその気になっちゃいました」
「チクショウ…」
「え?」
「おれも見たかったな…あーあ」
「ゴメンナサイ…」

おれはブランデーを一口含む。
マヤが月明かりの下で、幽玄の世界を舞っているのを思い浮かべながら。

「速水さんも月見酒、してますか?」
「うん。ホテルがサービスしてくれたよ。ブランデーだけど」
「おつまみは?」
「チーズ各種。ナッツ数種。生ハムやアボカド、オリーブ、ケッパー、シュリンプなどのカナッペ。
 里芋田楽に月見だんご。以上」
「豪華~~~!あたしなんてコンビニのおつまみですよぉ」
「きみはご馳走が出たんじゃないのか?!」
「食べましたけど!夕食は豪勢でしたけど!でも今はコンビニです!
 コンビニで買ってきた缶カクテルとレトルトおつまみですっ!」
「頼めばよかったじゃないか」
「そんな、面倒かけたくなくて。ってか、速水さんとの水入らずお月見電話だから…
 なんか、ナイショにしておきたかったんです!」

そんなところは相変わらず…
結婚して、「若奥様」と呼ばれるようになっても
自分の都合で余計な仕事をさせる、と一切のわがままは口にしないマヤ。
相変わらず、コンビニのおつまみやら缶ビールやらをひょい、と調達してしまうマヤ。

「本当に、キレイ…ですねぇ…」
「そうだな」
「今、どこにいるんだ?」
「ベッドの上ですよ」

新婚夫婦の部屋は元々自分が使っていた所に少し手を入れ、家具を新調した。
ベッドを窓際に寄せたので、月明かりはシーツを照らすほどだ。

「ここ、特等席ですねぇ。眩しくてアイマスクしてないと眠れないくらい」
「あぁ、そのためにその場所にしたんだから当たり前だ」
「速水さんって時々びっくりするほどロマンチックですよね」

本当はそんな目的じゃなかった。

「満月じゃなくても、どんな月夜でも
眺めながら眠りに落ちるなんて、贅沢ですよね…素敵!」

そんな君を見つめて、おれは時々眠れなくなる。
今君は、缶カクテルを飲みながらポッと頬を染めているんだろうか?

「電話じゃやっぱり、少し味気ないですね。ここに速水さんがいてくれたらなぁ…」

…かわいい事を言ってくれるんだな…
でも、おれがそばにいたら?

「マヤ、おれが今そこにいたら、」
「はい?」
「ゆっくり月明かりを楽しんでなんていられないと思う」
「やだ、仕事虫?」
「まさか」

グラスの氷が、カラン、と音をたてる。

「ベッドの隣で月明かりに照らされている君を」
「きっとすぐに押し倒してしまって…」

「艶やかに舞うように快感に溺れていく様を愛でて…」





「もおおおおおおおおおっ、どスケベッ!!!!!」




プチッ!




切られた。




何度か鳴らすが、出ない。
完全に怒らせてしまったか?




ほんの冗談のつもりだったのに
つい自分も妄想が走りはじめてしまう…
ここに、マヤがいたら?




何だか覗かれているような気がして、
カーテンをしめた…



ごめんよ、マヤ。


















おしまい。


















スミマセン、短くて。


それでは今宵はこのへんで。


明日もいいひで ありますように!



























  
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