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恵方巻き
2013-02-04 Mon 01:42

今宵も

 はね吉 がらすの森
          ~書く書く詐欺…スンマセン~


 …に、お越しくださいまして、ありがとうございます!!!!!!!


ほんっとに、ごめんなさい、書く書く詐欺!!
なんかね、キーボード叩くの久し振りだなぁ~なんて思っている自分、殴ってます。
でっでででで、今宵もつるピカ速水さんは放置で、

ふっさふさ速水さんの登場です…



 …やっぱりつるピカ速水さんだと筆が進まない、っていうのはあるのかもしれないっす…言い訳?

昨日UPすべき内容だったのかもしれないのですが、
季節ネタで、掌作品を。

…あ、ちょっとエロっぽい、です。





それでは続きから、ドゾ!!











  恵方巻き



 暦とは名ばかり。
仕事帰りに少し遠回りをしてコンビニで買い物をしたマヤの鼻の頭は
寒さで赤らんでいた。

どんなに遅くなってもいいから、今夜は来てくださいね、と念押しされていた真澄は
マヤのほうが帰宅が遅くなったのが意外だった。
いつも暖かい部屋のドアを開けると、「お帰りなさいっ♪」と抱きついてくるマヤの姿が無い。
こんな珍しい日は、自分も同じように部屋を暖めて
帰って来るなりがばっっっと抱きしめてやろう…そう思っていたら。


カチャ、と開いたドアから顔を出したのはマヤではなく…
いかにもコンビニで配っていた、紙製の赤鬼のお面、だった。

「わるいごはいねがぁ?わるいごはいねがぁ~~?」


「マヤ。節分の鬼はナマハゲとは違うんじゃないのか?」


マヤは「んもう!」と小さく叫んで膨れたほっぺたを覗かせた。

「違うかもしれないけど、とりあえず乗っかってくれてもいいじゃないですか!」
「それにどう乗っかったら正解なんだ?」
「そうだな…ううんと…」
「マメをぶつける?十字架とニンニクを振り回す?イワシの頭を投げつける?」
「うううううう」

「あははははは、どれもイヤみたいだな」
「十字架とニンニクだけが不正解みたいだけど、どれもヤ!ですね」
「どうしてほしいんだ?」
「ふふふ、きゃー、こわいいい、って泣き叫んでくれたらスゴク面白かったのに」

「それだけは出来ない。速水真澄としてあるまじき姿だ」
「あははは、そうでしたね~~あはははは」

お面をおでこにずりあげるようにして、マヤのイタズラっぽい顔が出てきた。
こんなささやかな遊びが楽しめるなんて、とても居心地がいいと思う。
コンビニの袋から福豆とパック入りの巻き寿司を出しながら、ダイニングテーブルに置いていく。

「今日は節分ですからね、いっしょに豆まきして、恵方巻き食べたいって思ったの」
「豆を買ったら、この鬼のお面、サービスでくれたんです。
 でも、ウチにはすでに『仕事の鬼』がいるんですけどね、って思ったら可笑しくて噴いちゃった!」
「あ、あたしがお面被るより速水さんが被るほうが似合って…
 あ、被らなくってもそのまんまでも十分ですかね?きゃははは♪」
「何ひとりで憎まれ口を叩いてるんだ!!このクチは!!」

テーブルを挟んだ正面から、マヤのほっぺたを両手で挟んでぐにぐにとすると、
想像していたよりももっと冷えた頬だった事に真澄はたじろいだ。
「マヤ…こんなに冷えて。寒かったのか」
「うっちゅんぶるくのままれかわいしょぐるのやめれくらしゃい」
真澄はマヤをあっちょんぶりけにしたまま、鼻の頭にキスをし、唇にキスをした。
そのまま深いキスに向かおうと角度を変えようとしたらドン、と胸を押されて離された。

「もう!まだ!豆まきするのっ!お寿司も食べるのっ!」
「……へいへい」

ふたりでベランダから控えめに、「福は内、福は内」と豆を撒いた。
マヤが「仕事の鬼が来てくれなくなるのは寂しいですから」と「鬼は外」は唱えなかった。

簡単に吸い物などを用意して、巻き寿司を食べる段となった。

「節分に切り分けない巻き寿司を食べるのは関西が発祥なんだが、正しい食べ方を知ってるのか?」
「いえ、あんまり詳しくは…」

「その年の最も良い方向…恵方に向いて願い事をしながら食べるんだ」
「七福神にあやかって、中の具は7種類にする」
「食べている途中で話すと運が逃げるので、無言で食べなければならない」
「縁を切らないように、包丁を入れずに1本そのままで食べる。以上」

「へええええ、なんでもよく知ってますよね~~」

「ああ、京都に出張に行った時に食べ方を教えてもらった。やってみるか?」
「京都?由緒正しいカンジですね!」
「由緒正しいわけではないが…楽しそう、だったかな」
「やってみたい!教えてください!」
「まずは、目隠しをする」「へーーーー!」

マヤはスカーフを取ってきて、自分で目隠しをした。

「京都のお座敷で舞妓さん芸妓さんと旦那衆の遊び、なんだそうだが」

真澄はパックから巻き寿司を取り出して、マヤに持たせた。


「これから、一切声を立ててはいけないよ。運が逃げるからね。さぁ食べていいよ」
マヤは勢いよく巻き寿司にかぶりついた。
「そうして舞妓さんや芸妓さんが無言で食べている側から、
 旦那さんは喋らせようとイジワルをするんだそうだ。いいね」

いかにも真澄が好きそうな遊びだ、とマヤは気付いたが、後の祭、だった。


「さぁ、くすぐるぞ。声をたてたら運が逃げるぞ」
そうして、マヤの首筋に真澄の指がつたう。
ビクン、と奮えて、マヤが身を捩る。

「どうした?大きな口を開けて…そんなに太いのを咥えることが出来るのか」
マヤの顔がボン、と赤く染まった。
「ふふふ、何故そんなに赤くなるんだ?ははぁ、そうか、そういう風に思い出したのか。
 マヤは・・・えっち、だね・・・」

ますます赤くなっているマヤに、真澄は容赦なく声をかける。

「早く…早く食べないと、くすぐりにいくぞ。ほら、もっと大きく口を開けて」
「そんなに頬張ると、喉につめるぞ…いやらしいな、そのクチの形…」

そんなにえっちな言い方されたら、ナニ食べてるのかわかんなくなってきましたっ!!と声に出したいところだが、
そういう所には意地になってしまうマヤの悪い癖を真澄はよく理解していた。
目隠しをされながら頬張って、時々身を捩って耐えている姿は扇情的、だった。
それを長く眺めていたいから、時々くすぐって頬張るのをやめさせたりもする。

これって…かなり高度な「言葉責め」じゃないのか?
さすが京都のお座敷遊び、奥が深い…
真澄は感動していた。
ひょっとすると、こういう遊びをせんが為に出来た慣習なのではないか?なども考えた。
ありえる。おおいに有り得る。

そうしているうちに、目隠しをしながら違うものを頬張るマヤのイメージが湧き出したりして、
…それが舞妓のような艶やかな和服姿で…
…その帯を解こうとする自分がいて…
…無言で身を捩ってイヤイヤするマヤがかわいくて…



…真澄の思考回路が…ついに振り切れて…停止した。


その間にガツガツと巻き寿司を頬張って飲み下したマヤは、
すぐさまスカーフの目隠しを取り去り、

鼻の下をどれーーーーん、と長く伸ばした真澄の頭をベシッ、と引っ叩いたのでした。






         おしまい!すまんこ!










ええと、参考までに。
こういうお座敷遊びはほんとうにあるんだそうです。
太鼓持ちの方が新聞に書いていらっしゃったのを読みました。

このあと、マヤたんが速水さんにどんなお仕置きをしたのか…?は
各々で妄想してくださいませ!!うふふふ^^



それでは今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように…









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