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片翼の天使 6
2012-02-20 Mon 01:33
今宵も

 はね吉の がらすの森~がんばってみるよ~

 …に、お越し下さいまして、ありがとうございます!!



…決心したよ。がんばってみるよ。

読むのも辛い、本編のあのシーン…。
読み込んださぁ。白目多いな、って思いながら。
(白目、ってあまり好きではない)

そうすると、紫織さんの読みこみからしなきゃいけなくなって。
書かなきゃいけない、って思って。

マヤちゃんのめげめげシーンを書き始めてから、
「拍手数」が極端に少なくなっていて、そりゃ当たり前かぁ~^^;って思ってるのですが

多分、これからもっと「少なくなるような」展開です^^;
およそ賛同していただけない書き方をすると思うので…><

特に、この「片翼」のリクエストを下さったto○○moko様~~
「あれ?この展開からいつあのシーンに繋がるのだ?」と不安になられているのでは…
ごめんね~~~

起承転結でいうと、
起・承・承・承・・・・・・・・転・結!!って…wwwなんだそりゃ。

当初の予定から長くなりますな。
辛いけどよろしくおつきあいくださいませ。

…しばらくは原作本編の「はね吉風脚色」、読み解きが続きます。
ご了承下さいませね~~><。


では、続きから参ります。ドゾ!!







            片翼の天使 6




 初めてのお見合いで緊張しながら、わたしはお相手を待っていた。
短大を卒業してから、お稽古ごととお花の手入れとおじい様のお話のお相手くらいしかしてこなかったわたしが
結婚するかもしれない男の人と会う。

高校時代に、よくお友達と行く喫茶店のアルバイトのお兄さんに淡い憧れを抱いた以外、
男の方との接点は無かった。

おじい様が「是非に」と持ってこられたお見合いの話だった。
若くして大きな会社の社長を継ぎ、業績を伸ばしているとかで
おじい様が気に入られたらしい…。
スナップ写真のような簡単な写真しか見せてもらえなかったけれど、
きれいな方だ、と思っていた。

長い時間お待ちして…小さな欠伸が出そうになった頃、「お見えでございます」と声がかかった。
襖がすっ、と開いて、その方が現れた時、
わたしはギリシア神話の彫像が命を与えられてここに来たのか、と思った…。
心の深いところに届きそうな、穏やかで涼しい声で、その方の唇が動いた。

「お待たせいたしました。速水真澄です」と…。





真澄様は世間知らずのわたしに、いろいろな話をしてくださって、
いろいろな場所に連れ出してくださった。
わたしが体調のためにしり込みをしても、次々にわたしを楽しませてくださった。
とても、お優しい…。
そして、男らしくわたしを守って下さって…。
多少体調不良でも、真澄様とお会いできるなら、とわたしはよく外出するようになった。
わたしは…初めて、恋をしたのだった…。

もちろん、結婚承諾のお返事をした。
真澄様とならば、わたしは一生幸せに生きてゆける、と思えた。

…けれど、真澄様からの結婚のお返事はいただけなかった。
お仕事がお忙しくて…とのことだったけれど…それはお返事をいただけない理由にはならない…
わたしは直接、真澄様に訴えた。わたしと結婚を決められない理由は何なのですか、と。
真澄様の困惑が見て取れた。わたしの立場がこうなので、はっきりと断れないのだろう…と思えた。
そう、いつだってそうなのだ…
わたしに心を開いて何でも話せるお友達が出来なかったのもそのためだ。
皆、わたしに気を使って本音を言えない。遠慮をしているのが、痛いほどわかる。
そんな時は相手の負担を考えてしまって、わたしはすぐに身を引く方を選んだ。
自分の心が深く傷つくよりも先に、ゆっくりと自分から遠ざかるのだ。

わたしは、真澄様との結婚の夢をあきらめよう、と決心した。

けれども。

決心をしてから体調を崩し、真澄様からの接触を全て断っていたら
真澄様は両手に抱えきれないほどの花束と共に、制されるのにも聞かずにわたしの部屋に乗り込んでいらした。
そうして、わたしにきちんと告げたのだった。
「お返事が遅くなって、申し訳ありませんでした。結婚の意志をお伝えしに参りました」と。
涙でかすんで、真澄様の表情は見ることは出来なかった。
けれど、花束に顔を埋めて泣くわたしの背中を、優しく何度もさすって下さった暖かい掌を
わたしは一生忘れない、と思った…。


わたしは、真澄様と結婚をする。






真澄様の花嫁になる、という喜びに浸りながらも、小さな不安が常に胸の中にあった。
「紅天女」。
幻の名作と呼ばれるその演劇は、速水親子二代にわたって虜になっているらしい。
ことに真澄様は、紅天女のこととなると、まるで人が変わったようになられる。
普段の穏やかでお優しい顔に、わたしの知らないいろいろな感情が浮かぶのを見る。
そしてそこに、わたしは一切立ち入ることが出来ない…。
まるで、わたしの存在を忘れてしまったようになられるから。

また、上演権を持つ月影千草という女優が認めた候補の女優、北島マヤ。
彼女に対しての真澄様の態度があまりにも違う。
平気でつっかかってくる彼女に、きょうだいのように楽しそうに喧嘩をする。
そうかと思うと、公衆の面前で狼少女の演技をさせたりしてまるで笑い者のように扱われる。
そして、怖ろしいほどの嵐の日にもかかわらず、彼女の舞台を観に行かれる。

梅の谷で、月影先生の最期の舞台の時など、真澄様は明らかに気もそぞろになっておられた。
美しい梅の咲き乱れる舞台で、期待に胸が膨らむ。舞い上がっているわたしの隣で、
真澄様は苦しそうに…何かを必死で堪えているような表情をされていた。
そして、梅の谷から帰った後、ずいぶん取り乱されたりぼんやりなさったり…
ご自分が上演したいと常に願っている舞台をついに見るという緊張からなのか、と思ったけれど…

今から思えば、もうすでに真澄様の何かが、知り合った頃とは違ってしまっていたのかもしれない…







夢のような婚約パーティーの後、真澄様は一段と忙しくなられた。
お会いしたいと願っても、お仕事の都合で出来なくなることが多くなった。
紅天女の試演プロジェクトの一役を担っておられるから、なのだと思っていたけれど
紫の薔薇の花束をおねだりした時、違和感を感じた。
一瞬、お怒りになったのだ。
紫の薔薇によほどの曰があるのか、触れてはいけない処を土足で踏み込まないでくれ、といったような
そんな怒りの表情を浮かべて、「その花だけは絶対にだめだ」と…。
そして、あいかわらず北島マヤに関しては秘かに心配をしているようにうつった。
何の関わりもないはずの二つの事柄が、心の中に渦巻く。
どうしようもない不安が、わたしの心を支配しはじめる。
真澄様は、何かを隠しておられる。
誰にも言わない、大切な何かを。
そしてそれは、
わたしの存在を脅かすものだ、と本能で感じた。

結婚の決心がつかなかった、本当の理由。
わたしに本音でぶつかってきて下さらない本当の理由。
口づけすら下さらない理由。

それが、真澄様が隠している秘密のなかに。
わたしを立ち入らせない、紅天女のなかに。
…紫の薔薇のなかにあるのだ、と。






わたしは、北島マヤの稽古を見たり同じ劇団の人に話を聞くうちに、
紫の薔薇が彼女と大きく関わっていることを知った。
初舞台の時から、彼女に贈られて来た紫の薔薇。
それだけでなく、彼女の学費や劇場の改修費まで面倒を見てくれるという足長おじさんの存在。
誰よりも彼女が信頼し心の支えになっている人。
嫌な繋がり方をする、と思った。
お礼に舞台写真のアルバムを贈ったことも聞いた…。

わたしは初めて、人に嘘をついて、黙って真澄様の別荘に入り込み、彼の秘密を知ってしまった。
紫の薔薇を、北島マヤに贈ってきたのは真澄様だということ。
すべての彼の行動は、彼女の為を思ってのこと。
嫌われて、憎まれてもずっと、長きにわたって陰から支えてきたのだ、ということ。

それは…愛ゆえ…ではないの…?

こんなに愛する存在がありながら、どうしてわたしと結婚する、などと?
彼女よりも、わたしを妻として選ぶ理由があったからではないの?

何も知らず、ひとりだけ浮かれていたことが悔しかった…。
こんなことなら、一度諦めた時に放っておいて下さったら良かったのに。
こんなに傷つかずにすんだのに。

そうわかると、今までの真澄様の一挙一動全てに北島マヤの姿が透けて見えた。
真澄様のほとんどを、北島マヤが占めている。
真澄様を信じていた。信じていたのに。

何も知らずに結婚をしたら、彼女への想いを抱きしめたままの真澄様を一途に愛していくのだろうか…

信じていた。幸せになれると、信じていたのに。

…こんな気持ちが、私の中に生まれるとは思わなかった…
わたしの心は、夜叉と化した。

うらめしい。北島マヤが。真澄様が。わたしの、かつての喜びが。

殺してしまいたい。そんな鬼のような感情がわき上がり渦をまく。
そう、彼女を。
真澄様の心の中に住み着いているほうの彼女を。
心の中の女を消してしまえば、殺人を犯すわけではない…
彼女の命を奪うわけではないのだから。

わたしは、計画を、たてた。










             つづくぅ~~><。




ああああああああああああああああああああ消耗したあああああ TT

白状してしまえば、シオリンの心情は自分の投影です。
結婚生活、ラブラブなことばかり、ではないのですよ、ね、奥様!!

「死ね」と口走ったり、生霊を飛ばしたりする経験は無ければラッキー♪ってだけで。

高校生の頃に、「三浦綾子」にはまりまして。
塩狩峠、とか この土の器をも とか読んでから
あの、 氷点 を読んで、ひっくり返ったのです、ワシ。

氷点の中の、陽子の母の壮絶なイジメ、ね。
あんな感情を書くんだ!!って。そんな感情が、書けるんだ!!って。

で、30年経って、そんな憎悪を生み出すほうにまわってしまった、自分がいます。



だから、シオリンが嫌い!!って 大きな声で叫べない。
彼女の悲しみや苦しみ、傷ついた気持ちがわかるから。

…やり方はいけません、いけませんよ~~!! だけどね。


言い訳、すみません。

つらいけど、辛い場面、書きますよ。
自分のなかで、ちゃんと消化します。

ご意見下さった方々、ほんとうにありがとうです。
信じて、託します。

原作、やっぱり愛してるものね。



それでは、今宵はこのへんで。
明日もいい日でありますように!!!!!!!!!!!!!!






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