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片翼の天使 15
2012-04-03 Tue 03:26
 今宵も

 はね吉の がらすの森 ~内輪な盛り上がりで、失礼…^^;~

 …に、お越し下さいまして、ありがとうございます^^


ええ、と、

ひざびさのばるん男爵系を書きまして、
やっぱり反響が大きくて、ですねうふふ。
M嬢宅で影響を受けて、そこでコメ残して、M嬢にお返事いただいたのを、
拙宅で「こんな返事もらってましたね、ウケタ!」と他の方から拍手コメでいただく、という…

なんかね、すごく繋がってます~~内輪で盛り上がってしまってて、
知らない方がみたら ポカ~~~~~~~~ン、かもしれませんゴメンなさい。

ま、そんなところでエロ描写なりエロ発想なりエロ実技(これは妄想含)などを
情報交換したり切磋琢磨したりしてます。
またもや ポカ~~~~~~~~~~ン、かもしれない盛り上がりになります。

はくすコメで、
「このエロSS、男性が読んだらどんな反応をするのだろう?読ませてみたい!!」
といただいたのですが、実はワシもそれには興味のあるところで
まったく殿方向けに書いているつもりもなかったのですが
聞いてみたい気がします。(そーゆー意味で、『実験台が欲しい!』と)

まさか旦那ちゃんに読ませるわけにもいかず、(『ヘンタイ』と冷たい眼で言われると思うと超凹む)
知り合いの殿方に感想を求める、とゆー剛毛の心臓を持っているわけでもないので

いないとは思うのですが、万にひとつ 殿方読者がいらっさったら、
「勃つ?濡れる?」って…    …まぁお下劣。

女性と男性とでは エロ琴線が違うトコにあるのか、ないのか?
例えば、女性にとって「これはセクハラ!」って思うような男性的なエロとどう違うのか?とか。
ほんの好奇心、ですが…。
ステキにエロスな紳士の方、いらっしゃったらご意見お聞かせくださいませ^^



それでは、肝心の シリアス作品の続きを。

ささ!あたま切り替えてね!!(ワシが)

続きからドゾ!!









               片翼の天使  15



ワンナイトクルーズが東京の港に帰りついた朝、真澄は紫織の出迎えをしに港にいた。
もう一部屋都合してもらいに行く、と言い残したまま下船してしまった侘びをいれるために。
マヤが「可哀想に、紫織さん」と呟いていたことにも、確かにそうかもしれない、と思ったからだった。

マヤと楽しく夕食を共にした。
久し振りに心躍るような癒されるような時間だった。
婚約をしてから、こんな時間は二度と自分には望めないと思い込んでいたひと時。
それを実感してしまうと、この結婚によって同じものを望めないのは拷問のようだと思った。

紫織は一晩泣き明かして、はれた眼で美しい朝の海を独り占めした。
紅色の海から黄金の光がゆっくりと差していくのを見て、
自分が浄化されていくのを感じた。
眠っていた真実の自分が、新しい朝に目覚めた。そんな気分だった。

大きめのサングラスを船内で購入し、紫織は下船した。
思いがけない迎えが来ていて、紫織は不思議に思ったくらいだった。

「…真澄様…」
「紫織さん、昨夜は申し訳ありませんでした。部屋を出た後、社から至急戻るようにと連絡があったので…」

真澄の口から出る、自然な弁解の言葉。
今の紫織にとっては本当のことかどうか信用はできない、と思い始めている。

自分が蒔いた種とはいえ、昨夜の真澄の反応と投げつけられた言葉の棘を忘れることは出来なかった。
確かに自分の卑しさが原因だ。
自分の中に、そんな感情があるなど信じられなかった。
そしてそれを、一番知られたくない愛する人に知れてしまった。
そして…それは、愛する人には最も嫌がる事だったようで。

本音で話してくれていた。それがわかって少し嬉しくもあった。
けれど、それは
今までの全てが本心から出た言葉では無かった、と悟った瞬間だった。

無理をして側にいてもらうのは
かえって自分が心苦しい…
それは幼い頃から感じ続けてきた感情。

「わたくしが無理を言ったのですもの…こちらこそ申し訳ありませんでした」
伏し目がちに。

「お疲れかもしれませんが、このまま食事でもいかがですか」
「ええ、わたくしもお話したい事がありますの」

車を走らせて、郊外のレストランに入る。
白いレースのカーテンが揺れる明るい個室。
新婚家庭の食卓にも、同じようなイメージを抱いて家具など注文したものだった。
もう今は幻となってしまった。

「真澄様…申し訳ないのですが…」
「なんでしょう?」
「こんな時になって、たいへんなのは重々承知なのです、ご迷惑をおかけすることも」
「紫織さん?」

「ごめんなさい…わたくし…真澄様と結婚する自信が無くなりました」









真澄にとって、青天の霹靂、だった。

「な…なにを…?」
「もういいのです、真澄様…」
「なにが いいのです、ですか!」
「無理をされなくてもいいのです…わたくしを喜ばせようと、無理をなさらないで」
「何が、無理なものですか。一体どうしたんです、紫織さん」

「わたくし…昨日まで心を病んでいたのです。マヤさんにとんでもないことをしてしまいましたの」

「いただいた婚約指輪を、マヤさんのバッグにいれたのはわたくしです」
「ウエディングドレスにマヤさんがジュースをかけたように見せたのも、わたくしです」
「その…ほかにも…もっと…」

「も…もういい…止めてください、紫織さん。それ以上言わないでください」
真澄は思いがけない告白を耳にして、怒りが湧き起こった。
しかし相手は紫織である。素直に謝罪もしているのだ。
怒りのもって行き場がなく、真澄は拳を握りしめた。

「わたくし…嫉妬からこんな怖ろしい女になってしまいましたの。
 真澄様の妻に相応しくありませんわ。
 このまま結婚しても、お互いに幸せにはなれないと気がつきました」

冷静になれ、と頭に声が響く。
「確かに…あなたの正直な告白を聞いて、ぼくは驚きと…怒りの感情を抑えるのに精一杯です。
 そのことでぼくがこんな気持ちになるのでは…この結婚は難しいのかもしれません。
 しかし、初めからぼくはあなたに誠実では無かった…悪いのはぼくです」

紫織は小さく笑った。

「詳しい説明をしなくても良いのは好都合ですわ…。そうしてお認めになることも」
「もうしわけありません」

「いえ…この話し合いは…あくまでも二人の将来の建設的な出発の為、なのですから」

紫織の口元に、凛とした微笑が浮かぶ。

「自分達の立場から、簡単に婚約解消と言えないのはわかっています。
 わたくしは真澄様に損失責任が及ぶのはどうしても避けたい…。
 ですから、わたくしの我儘が原因のドタキャン、ってことにしたいのです」
「ドタキャン、ですか」
「ふふふ、便利ないい言葉ですわね」

「それでは、あまりにもぼくが、都合が良すぎるのでは?」
「本当のことを言ってしまえば…わたくしはさらに傷つきましてよ」

撥ね付けるように、紫織が返す。

「ね、我儘に育てられたから、家庭を顧みることのないような仕事人間の旦那様では
 紫織は幸せな結婚生活は望めません…
 紫織の為に全て投げ捨てるような方がよいのです、と
 イヤイヤをして見せればすむことなのですよ」

「紫織さん…」

「だから…本当のことは誰にも言わずにこちらにお任せになってください。
 こちらのほうが、対処はし易い筈ですから」

真澄は初めて、紫織の持つ逞しさを見た気がした。


「いろいろ…考えましたの。自分の人生について」
「はい…」
「真澄様に連れられて、初めて経験したこと、たくさんありましたわ。
 とても楽しかった…
 病弱を理由に、全てに引っ込み思案で来たのでもったいない人生だったと」
「ひ弱な心と身体に嫌気が差してしまって。ふふふ」
「あなたは素晴らしい方ですよ…美しくて、聡明で…とても勇気がある」

「ありがとうございます…真澄様。
 ちょっと遅めですけど、自分探しの旅、なんてことをしてみたいんですの。
 結婚なんてまだまだしていられませんわ。わたくし、忙しくなる予定なんですもの」

ふふふ、と笑う紫織の瞳には、
枯れてしまったはずの涙がまた浮かんだ。

「結婚相手ではなくて…お友達として出会っていたらよかった…
 …それでも、やっぱり真澄様に恋をしたのでしょうけど」
「すみません…あなたを傷つけることしか出来なかった」
「いいえ。わたくし、良い経験をしたと…思って…」

紫織の頬に、涙が落ちる。

「マヤさんに…紫織が謝っていた、とお伝えください…
 試演、頑張ってください、と。わたくしはその頃は多分日本にはいないと思いますので…」
「どうされるのですか」
「留学しようかと…蘭について本格的に勉強してみたいと思いましたの」
「ほう…それは素晴らしい」

「紅天女…素晴らしい舞台になるといいですね」
「ええ…」

紅天女…義父と自分の運命だけでなく、この人の運命をもかえてしまったのだろうか…?

「真澄様の魂の片割れ…きっと出会うはずですわ。わたくしではありませんでしたけど」
にっこりと紫織が笑う。

マヤが真澄を好意以上の想いで見ていることは伝えないでおこう。
半分は女の意地。半分は、これは真澄自身が切り開いていくべき道だと思うからだ。

「紫織さんも。もっと素晴らしい方にであえるはずですよ」
「ええ。真澄様よりももっとステキな方に」

紫織の笑顔は晴れやかだった。
泣き腫らした眼は痛々しかったが、美しい、と真澄は思った。

「幸せを…祈っています。次、お会いできるとしたら」
「お互い、魂の片割れを伴って」
「そうですね…ぼくはそんな人に出会えるような気はしないのですが」

「流れ星に…もう一度願いを託されたらいかがです?叶えてくれるかもしれませんわ」

夢は捨てた、と言いながら無意識のうちに追い続けている…。
この人は何かに縛られて、翼をひとつ無くしているのだ…。
その姿を、痛々しい、と思った。
ただ、それを慰めて解き放つのはただ一人しかいないのだわ、と思った。

「流れ星…そうですね。今夜、さがしてみます」
寂しそうに笑う真澄の胸に、叶わぬ恋の鈍痛がまたうずいた。







           つづく。


あら、紫織さんの白化、びっくり!!




それではこよいはこのへんで。
明日もいい日でありますように…








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